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152.ウォービーンズvs鳥

 僕たちはあんな話を聞いた後なので、もうウォービーンズが過ぎ去るまでじっと岩陰に隠れながら待っていた。


 そんな最中、1匹の鳥がウォービーンズの近くに降り立った。


 するとその瞬間だ。


 ブーンブーン


 ハチ特有のあのイヤな羽ばたき音が突然一面に響き渡る。


 カイトによるとこれが敵を認識した時に出す音のようだ。


 僕、この音って苦手なんだよね・・・。 背筋がゾワッとしたよ。


 そしてヤツの姿を見ると、お尻の針がキラリと光っており、一段と長くなっていた。


 うわぁ、あんなのに刺されたらひとたまりもないよ・・・。


 そう思い眺める。


 鳥もあの羽ばたき音でウォービーンズの存在に気付いたようだ。


 飛び立とうと動作を始める。


 するとそこにウォービーンズが針を突き出しながら全力で突っ込んでいく。


 ビィューーーン!!


 双葉機が急降下して急襲しているかのような音に変化した。


 そのまま針を突き刺すか!? そう思われた瞬間、鳥が身をひるがえしその特攻をすんでのところで避ける。


 グギャー!!


 鳥がウォービーンズに向かって威嚇の声を上げる。


 ウォービーンズが再び突き刺しに動く。


 それを察した鳥が先に飛び立ち真上に上がって行く。


 逃がさまいと一足遅れてウォービーンズもその後を追っていく。


 さすがに今回ばかりは針を仕舞って頭を前にした状態で追いかけている。


 しかし、鳥とハチだ。


 普段からこいう飛び方もしている鳥と違い、垂直上昇はハチには慣れていない飛び方なので段々と差がついていく。


 もしかして、鳥がこのまま逃げ切るのか!?


 そう思ったのも束の間。


 結構な距離が空いた頃に鳥があろうことか反転し、垂直落下し始めたのだ。


 な、なにを考えているんだ!? 上昇しすぎて気絶でもしたのかな??


 そう思ったんだけど、どうやらそうじゃないみたいだ。


 よくよく見ると羽を畳んで身体を縮こまらせていて、少しでも抵抗を少なくしようとしている。


 なので、かなりのスピードが出ている。


 このまま落下速度を加えてスピードを加速させて、突っ込むつもりなんだろうか?


 この緊急事態に気付いたウォービーンズは混乱してしまったようで、上昇するのをやめ、どうしようかとその場に飛びつくしているような状況だ。



 一体どうなるんだ??


 その様子をそのまま眺めて見届けることにする。


 ウォービーンズは未だになお混乱して何もせずに浮遊しているだけだ。


 そこに向かって物凄いスピードで鳥が近付いていく。


 バクバク、バクバク


 何故か僕の心臓もバクバクしてきた。


 そしてついに鳥がウォービーンズに突っ込むときがきた。


 ウォービーンズはこの瞬間まで動くことができなかった。


 ズッポンッ!! ポンッ!!


 そんな感じの音が響き渡ったと思う。


 人の頭ほどの大きさのウォービーンズの脳天に1匹の鳥が突っ込み、そしてその勢いのまま背中辺りから突き抜けて出てきた。


 か、貫通した・・・!?



 ウォービーンズはそのまま真下に垂直に落下していく。


 そしてそのまま地面と激突する。


 完全に絶命してしまったようだ。


 鳥の方はというと、少しフラフラッとしながらもどこかへ飛んで行ってしまった。


 鳥の方は疲労しながらも無事なようだ。


 ウォービーンズが鳥に敗れた。


 このことはカイトにとってもかなり衝撃的な光景だったようで、口をあんぐり開けて、しばらくその場に固まってしまっていたのだった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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