151.ウォービーンズ
今日からまた、1週間が始まってしまいました。
僕の知らない間に世間様ではゴールデンウィークが始まったのでしょうか??
全く分かりません!!(笑)
僕は今日もお仕事に行ってまいります。
皆さんもお仕事、作業、ダラダラ、頑張ってくださいね!
では、本編へどうぞ!!
そのお花の群生域を抜けると再び草原が広がる光景が現れた。
その光景に囲まれた街道を進んでいくと、何やら前の方からこちらに向かってやって来ているであろう何かが見えた。
まだ遠くてどんな姿なのか、何なのかは視認できていないけれど、確かなのはソレは空を飛んでいる、もしくは空中に浮いているということだ。
敵なのか何なのかは分からないけれど、取り敢えず警戒しながらも進んでいく。
しばらく進むと段々と姿がよく分かるようになってきた。
大きさはまだ遠くてなんともいえないけれど、色は黄色と黒のトラ柄模様、顔は大きな黒々とした目が左右に1つづつ、その頭のてっぺんからは何やら触角の様なものが2本生えているのが確認できる。
また浮いている胴体のお尻からは尻尾だろうか? 何かが飛び出て生えているのが確認できた。
これだけじゃまだ何だか分からないなぁ。
そうしてさらに近付くと遂にソレの正体が判明した。 いや、判明してしまった。
尻尾だと思っていたソレは針。
しかも、極太の針だ。
刺されたらひとたまりもないぞ・・・。
そんなことを思いながらその生物を見ているとカイトがブルブルと震えた声で話し掛けてきた。
「うぅぅ・・・。 ハルト~、あいつ見てよ・・・。」
「あの浮いている生き物?」
「それしかないでしょ。 あれ、何だか分かるよね?」
「いや、何だか針が危なそうだなぁぐらいしか。」
「はっ!? ウソだろ、バカじゃないの!? あいつを分からないだって~!?」
「分からないものは分からないの!!」
知らないものは知らないのに、何でこんなに怒りだされなくっちゃいけないんだろう。
「いやだから、ウォービーンズだよ!?ホンットのホントに知らないの!?」
「うん知らないよ。 今、初めて聞いたよ。」
「ウソッだろっ!? ま、まあ・・・知らなかったならまあいいよ。 でも、冒険者でも旅人でも何をやるにしてもそうだけど、あいつは知っておかないと命の危険もあるぞ。」
「そ、そうなの?」
「そうだ。 もう少し近付くとハッキリ分かるけど・・・って行くなバカ!!」
近付いた方がいいのかと思って歩いて行ったら袖を思いっ切り掴まれて引き戻されちゃった。
「近付いちゃダメだって。 あいつはハチのモンスターなんだぞ。 今はああやって大人しく飛んでいるだけだけど、動くものを見付けてそれを敵と認識した瞬間・・・。 ヤツら、なりふり構わず襲ってきてあのド太い針を思いっ切りブッ刺してくるんだぞ!!」
「ヒ、ヒヤー!!」
「でしょ、やでしょそんなの。 もう痛いを通り越したさらに先の痛みを味わうことになるからな。」
「イヤだ、絶対にイヤだ!!」
「しかもまだある。 あいつの針には全個体がそういうわけじゃないとは聞いたけど、毒があることがあるんだってさ。 ただでさえヤバいんだぞ。 そこに毒だなんて言ったらもうホントに死んじゃうよ。」
「・・・。」
「それにだ。 見付かったらただ逃げればいいと思うかもしれないが、その考えは甘いと思った方がいい。」
「な、なんで?」
「あいつは一度見付けた敵には何かしらの攻撃を加えなければ気が済まない性格だと言われているんだ。 だから、こっちがどこまで逃げようと、ただひたすらに匂いや足跡だって何だって、辿れるものは辿りに辿って探しに来る。 ホントに一番厄介といってもいいかもしれないモンスターなんだぞ。」
「そ、そんなのストーカー殺人鬼じゃん・・・。」
「だから見付かるなってこと。 見付かったら倒すか死ぬかどっちかと思えって昔から言われているんだぞ。」
「・・・。」
もう言葉が出ないよ・・・。
僕のさっきの行動がいかに自殺行為だったかを、今の話しを聞いただけでまじまじと実感したのだった。
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