表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/179

149.不可思議なモンスター

 ササッ!!


 そうこうしていると草陰に隠れていた者が動き出した。


 サッサッサッ!!


 ぐるっと遠回りをしながらも、こちらを目指して徐々に徐々に近付いてきているのが分かる。


 このことにはカイトも気が付いたようで、警戒しながらも相手に悟られないように初撃を防ごうと、武器に手をかけて準備していた。


 僕も同じように対応する。



 サッサッサッ!! サッサッサッ!!


 ササッ!!


 遂にその物体が街道の横の草陰から飛び出てくる。


 ふ、フクロテイガー!?


 しかもデカい!?


 というかだよ、こんな所には生息していないって聞いてたんだけど!?


 取り敢えず相手の不意打ちを狙った初撃の引っ搔き攻撃を剣で受け止める。


 だが・・・重い、重すぎるよ・・・。


 飛び掛かってきたのだから当たり前と言えば当たり前だよね。


 「ハルトー!!」


 カイトがフクロテイガーに向かって斬りかかりに向かってくれている。


 だがフクロテイガーがひらりと身をねじってその攻撃を躱す。


 それと同時に僕からも少し距離を取る形でジャンプして少し後退した。


 むぅ・・・少しばかり頭が使えるみたいだ。


 僕は少し軽くなったところで剣を横に裂く動作で、フクロテイガーの足の裏に切り傷を入れれないかと思っていたのに簡単に避けられてしまった。


 仕方ない、ここは火の魔法で足を負傷させて・・・。


 あっ、何でだ? まだ何も出していないのに避ける動作。


 まるで思考を読まれたかのようで気持ちが悪い。


 そもそもフクロテイガーといえば攻撃的なモンスターだったはず。


 なんでこうもコルト村の森のときのように突っ込んでこないのかが不思議だけど・・・。


 とにかくこいつは頭が切れるということだから気を付けないと。


 カイトもそのことは察してくれているようだから、無理に距離を詰めないで距離をあけて様子をうかがっているようだ。



 ガルゥゥゥゥゥ!!


 フクロテイガーが唸りを上げ、未練がましそうな顔をしながらも、何かに引っ張られるかのように引き下がって行く。


 た、助かったのか??・・・


 「ハルトー!! 大丈夫か??」


 「う、うん僕は・・・。 でもどっか行っちゃったみたいだね。」


 「だな。 ・・・な、なぁ。 戦っていて何か気にならなかったか?」


 「気になったよ。 きっとカイトも同じこと思っていたかもしれないけど。」


 「きっと同じだな。」


 「あのフクロテイガー、やけに頭が良すぎるというか、色々と読みが良いというか・・・。 モンスターなんだけどモンスターでないかのような頭脳を持っているようだし・・・。 何だか変な感じがしたよ。」


 「だよなぁ。 俺も同感だよ。 あれはフクロテイガーの見た目はしているけど、なんだか中身はフクロテイガーじゃないような感じがしたよ。 なんか嫌な感じ、変な感じだったよ。」


 「まあ何でか知らないけど居なくなってくれたようだからよかったよね。 あれは何だか戦いたくないよ。」


 「だね。 何をしてくるのか全く読めないし、あれは戦いづらいっちゃあらしないからね。」


 「そうだね。」


 「さぁハルト。 こんな所で話していてまた出くわしたら嫌だからね。 さぁ戻って来る前に早くこの場を離れよう。」


 「うん、そうだね。 もう嫌だからね。」


 そんなわけで僕たちは、謎のフクロテイガーとの戦いを終え、その場を足早に後にしたのだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 作品が気に入って頂けたら、ブックマーク、感想、評価をお願い致します。

 ブックマーク、感想、評価を頂けますと励みになります。


 評価ボタンは、本作各話の最下部に設置されておりますので、宜しくお願い致します。


 それでは次話もお楽しみに!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ