148.草陰の何か
やっと金曜日だぁ~!!
今週最終日のお仕事もがんばるから、みんなも頑張ってね!
では、本編へどうぞ!!
2人旅初日の夜。
交代ばんこで寝ては警戒任務、寝ては警戒任務と繰り返していたら朝になった。
初日の夕方にはいろいろあったけれど、夜は無事に乗り切ることができたようだ。
簡単に朝食を済ませていざ2日目の旅、スタートだ。
10分程歩くと早速森に突入する。
これは一気に薄暗くなったなぁ。
朝方だというのに夕方ぐらいの暗さだ。
さらに朝方ということもあってか辺りにはうっすらと霧が立ち込めており、何かが出てきそうな雰囲気を醸し出していた。
「ハルト、周囲の警戒しっかりな。 俺はこっち見るからハルトはあっちだ。 いいね?」
「カイト、分かったよ。 あっちは任せて! こっちは任せたから!」
いつモンスターや盗賊などが襲い掛かって来てもいいように、担当を決めて協力して周囲を警戒していく。
やっぱり2人だけだと1人が見る範囲が広すぎて大変だ。
警戒しながらも無事にしばらく進み続ける。
歩き続けていると遠くの方の草陰が一瞬ササっと揺れた気がした。
よくよく見てみるけれど、何かモンスターや人がいるような様子や気配は感じられない。
もしかしたら風なのかもなぁ?
そんな疑問を抱きつつ、何も見えないので取り敢えずそっちの方を特に警戒してみながらも、そのまま進んでいく。
そしてさらに進んでいくと、今確実に草陰が何かによって揺れたような不自然な揺れ方をしたのに気が付いた。
あれは何かがいるはずだ。
そう思った僕は小声でカイトにそのことを伝える。
「ねぇカイト、ちょっといい?」
「うんうん、どうしたのハルト?」
「あのね、あそこの辺りの草陰なんだけど、確実に何かがいると思うんだ。」
「え、あそこに? 何も見えないけど。」
「さっき絶対風じゃぁならないような、不自然な揺れ方をしていたから間違いないと思うよ。」
「そうか、なら何かいるのかもな。」
「うん。」
「じゃあ俺たちは気付いていないフリをしながらも警戒しておこうか。 それで何もなければいいけれど、もし襲い掛かってきたらすぐに対処できるように準備だけはしておくことだよ。」
「うん、分かった。」
おお! カイトのくせにこういう時、頼りになるんだよなぁ~。
今回はカイトの指示に従ってわざわざこちらから刺激することなく、もし襲われたら速攻で全力で反撃できるような準備だけ、整えておくことになった。
その事態があるまではただひたすらと歩き続けるだけだ。
僕もその一点ばっかりを見つめているとバレてしまうし、他のところの警戒がおぼそかになってしまうので、その部分を注視しながらも他のところも警戒はしっかりしておく。
いつ何時仲間や別のものが現れるか分からないからね。
そうやって厳重警戒しながら進んでいると、先ほどよりも何だか様子が変わっていることに気が付いた。
あれ?? よくよく見てみると、さっきよりも草陰の揺れが大きいというか、何だか数が増えているような気がするよ?
それをカイトに伝えてみる。
すると・・・。
「それ、完全につけて来られてるね。 つまり狙われてるってことだね。」
「あちゃぁ。 平和にいきたかったのに。 でもそうだとすると厄介じゃない?」
「そうなんだよ。 すぐに襲い掛かってこないってことは、こっちの動向をうかがっていると思うんだ。 ということはだよ。 きっと知能の高いモンスターか、もっと厄介なのは人なのかってことだよ・・・。」
「だよね。 はぁ、ホントになんでこんなにイベントにぶち当たるんだろう・・・。」
「ホントだよ。 ハルト、お前変なの憑いてるんじゃないの!?」
「ひ、ひどいなぁ。 そんなことないって!!」
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