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145.別れと旅立ち

 朝食を食べ終わった僕たちは、ハシュードさんも一緒に市場へ出掛けた。


 旅立ち前最後の買い物をするためだ。


 今回の旅ではハシュードさんと別行動になるため、アイテムボックスがない。


 なので、日持ちしにくいものはそのまま腐っていってしまうのだ。


 だからこうやって少しでも日をもたせるために、旅立ち当日の朝に買い物に来たというわけだ。


 僕たちは食料を中心に買い物を済ませていく。


 そしてお昼前に差し掛かった頃、食料調達も完了し遂にハシュードさんとの一時的な別れの時がやってきてしまった。


 「じゃあここまでかな。 あぁ、寂しくなるなぁ。」


 「ハシュードさん・・・。」


 「大丈夫だよ、永遠の別れとか、いつ会えるか分からないような別れじゃないんだから。」


 「はい・・・。」


 「さあ、これで一旦お別れだ。 2人とも、喧嘩せずに協力し合って無事に辿り着くんだぞ!」


 「うん!」


 「分かりました!」


 「よし、いい返事だ! じゃあまた次の街で!! くれぐれも死ぬなよ、頼むから。」


 「大丈夫です、カイトと一緒に待ってますから!」


 「兄さんこそ死ぬんじゃないよ。 兄さんの方が心配なんだから。」


 「俺は大丈夫だよ。 腕の立つ冒険者を護衛に探すからさ。 しかもいざとなったら俺だって戦うことができるからさ。」


 「そうだったね。」


 「まあ、お互い何のトラブルもなく無事に再開できれば良いに越したことはない。 お互い体調にも気を付けながら再開の日を待ちわびよう!」


 「はい!」


 「おう!」


 「じゃあ、行ってきます!!」


 「気を付けて! 行ってらっしゃい!!」


 そう言って僕たちは別れた。



 さあ、新しい冒険の始まりだ!


 次の街までの道のりは長い。


 比較的街道が整備されているのと、カイトが一緒なのが唯一の救いだね。


 さすがに何が出てくるか分からないような世界で、一人旅なんて出来たもんじゃないからね。


 モンスターならまだしも、盗賊の集団なんて出たらどうしようもなくなっちゃうからね。


 「なあハルト。」


 「なぁにカイト?」


 「兄さん大丈夫かなぁ?」


 「カイトは心配のし過ぎだって。 大丈夫だよきっと、ハシュードさんなら。」


 「良かった、ハルトがそう言ってくれるなら安心できるよ。」



 その後たわいもない会話をしながらも次の街へ向かい、ひたすら進んでいく。


 そしてちょうど太陽が頂点を示している頃、2人とものお腹が鳴りだした。


 グゥゥゥゥゥ・・・


 「っはははははっ!」


 お互いを見合って笑い合う。


 「この辺りでご飯にしよっか。」


 「そうだね。 お腹鳴っちゃってるし。」


 「じゃあ、最初のご飯は何にする? 昨日ハルトが釣って来てくれた魚でも焼いて食べようか??」


 「そうだね! お魚食べよう!」


 「じゃあ枝とか葉っぱとか集めないとね。」


 「うんっ!」


 「火はハルトの魔法に頼ってもいいんだよね?」


 「もちろんだよ。 そんなせっかく使えるのに使っちゃダメなんて言わないよ。 魔法は便利に使わないと!」


 「良かった、じゃあ集めようか。」



 パチパチッパチパチッ!


 火が良い感じになってきた、ここで串に刺したお魚を投入だ。


 パチパチッジュージュー!


 おお!! 脂が滴ってきてちょうどいい頃合いだ。


 「もういいと思うよ!」


 「了解!! じゃあ俺はこれから!」


 「僕はこれ! いただきます!」


 んん~!! 焼き加減も最高だし、何よりお魚本来の旨味とこの脂の乗りがたまらない!!


 この2人旅が始まって最初の食事は大成功だね!


 このあと2人でお魚をたんまりと堪能し、再び歩みを進めていった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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