142.帰宅!成果は?
お魚食べたい・・・
釣りを楽しんでいたらもう夕方近くになってしまったので、少しだけ明日からの旅に必要そうなものをお買い物した後、宿へと戻った。
宿へ戻るとカイトが既に帰って来ていたようでベッドに座っていた。
「あぁハルトか。 おかえり。」
「ただいま、カイト。 今日は早かったんだね。」
「うん、明日の準備をしておきたかったからね。」
「意外とちゃんとしてるじゃん!」
「一言余計なんだよハルトは。」
そんなじゃれ合いのくだりを終えた後、僕はカイトの目の前に今日の収穫を披露する。
「おーいカイト、これ見てみてっ!!」
「ん? おお~!! どうしたのそれ!? 凄いじゃん!!」
実は結構な量のお魚が釣れたんだよね、驚いてくれてよかった。
「凄いでしょ~!! これ僕が釣ってきたんだよ!!」
「うん! 凄過ぎるよこれは! ハルトには釣りの才能があるよ!」
「ほんとかな? ありがとう。 でも、もっと凄い人いたからね。」
「そうなの?? でも、凄いよ。 これなら食料はハルトに任せれば心配なしだね!」
「そんなことないよ。 ちゃんと協力してよ。」
「分かったよ。 折角任せちゃおうと思ったのに・・・。」
「え? 何か言った??」
「ん? いや、何でもないよ。」
「そう? それならいいけど??」
そんなこんなでしばらく話に花を咲かせていると、ハシュードさんも帰って来て、みんなが揃った。
「おお早いな。 ただいま。」
「おかえりなさい。」
「おかえり! 兄さんこれ見てよ!!」
カイトが得意げに僕の獲った魚を見せている。
「おお凄いじゃないか! 明日からの食事にできるな。」
「でしょ~!!」
おお?? 人の手柄を横取りするつもりなのかな??
「でもこれ、僕が獲ったんじゃないよ。」
「え? こんなに買ったわけじゃないだろ?」
「ハルトが釣ってきたんだよ。」
おお、よかったよかった。
明日からの旅をどうしようかと思っちゃったよ。
「そうか、ハルトくんがか。 こりゃ頼もしいな! 明日からカイトを頼んだぞ、ちゃんとしたもん食べさせてやってくれ。」
「は、はい。」
あ、今ハシュードさんから食料担当を任命されちゃったよね。
カイトがニヤニヤしながらこっちを見ているけど、カイトもしっかり協力するんだよ。 分かってるよね??
そんな思いを込めながらカイトに目で返事をする。
ふーん。
カイトがそんな感じの顔で返事をしてきたぞ。
それは困るんだけど、なんだかそもそもその顔がムカつくんだよなぁ。
ふーんじゃないよ!! って顔をしてみる。
するとハシュードさんが今度は反応した。
「なぁお前ら、一体何やってるんだ?? 変顔大会でもやってるのかい?? 笑いを堪えるのに精一杯何なんだけど・・・。 プッハハハ。」
そ、そんなに変な顔してたかなぁ?? ハシュードさんが噴き出して笑っちゃったよ。
それにつられて僕たちも自然と笑いが止まらなくなってしまう。
ハハハハハハハ!!
なんだかんだあったけど、やっぱりこの3人のコンビは最高だなぁ、だって楽しいもん!!
そう思えた瞬間だった。
でも明日からはしばらくハシュードさんとは離れ離れなんだよなぁ・・・。
こうやって場を和ませてくれる存在がいないとなると、今みたいに変にカイトとぶつかった時が心配だなぁ。
まあ、そういう場面もぶつかり合って乗り越えての真の友情って言うからなぁ。
なんとか頑張るか!
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