141.異世界で魚釣り
金曜日だぁ!!!!
やっと今週も解放される~!!
ふぅぅぅぅぅ~~~!!!!!
よし! 釣り竿をゲットしたので、これから早速釣りをしよう!
どこにしようかな~??
結構良さそうな場所は先輩釣り人の人たちに占領されている。
テクテクテクテク
あっ! あそこあいてるぞ!
あいている場所を見つけた僕はその場に腰かける。
うーん、ちょうど壁際でどうも場所が悪いんだよなー。
でも、ここしかあいてないししょうがないか。
これが初心者の宿命か・・・。
まずは先ほどの釣具屋さんで釣り竿と一緒に買ったエサを、釣り竿の針に付けよう。
うぅ・・・ごめんねエサさん・・・。
僕はエサの虫さんを針に付けていく。
ダメだ・・・初心者にはなかなかにハードルが高いぞ。
エサの虫さんがウネウネするのもそうだし、生きているのに刺すなんて可哀想でしょうがない。
普段モンスターを狩りまくってる人が何を言っているのかって言われちゃいそうだけ、目の前でマジマジと付けるから、何とも言えないんだよね。
僕はその苦労をなんとか突破して、遂にエサの装着が完了した。
「ふぅ、ここまで長かったぁ~!」
じゃあようやく釣り開始だ!
大きく振りかぶって~、投げたぁ~!!
自分の頭の中で1人実況しながらルアーを飛ばしていく。
頭の中の威勢の割には、いうほど遠くに飛んでないんだよなぁ・・・。
しばらく水面を眺めながらその場で座って待ってみる。
太陽に照らされた水面がユラユラと穏やかに揺れている。
だけど、僕の浮きだけは一向に変化を見せない。
まあ釣りってこういうものだからね、気長に待つしかないね。
「う~ん、おかしいなぁ?? なんで何も起きないんだ??」
あれからかなーりの時間待ったんだけど、全く一向に変化が見られない。
どうなってるんだろう?
僕はおかしいなと思い周りの人の様子を眺めてみる。
シュポンッ!! バタバタバタバタ
ああ、あっちの人はあんな大きな魚を釣っているよ。
シュポンッ!! バタバタバタバタ
ああ・・・あの人も釣れて・・・。
シュポンッ!! バタバタバタバタ
あっちでも・・・。
みんなは釣れているのに、何で僕は釣れないんだ・・・??
そしてふと隣の人も見てみる。
え・・・??
何その量は??
隣の人だけバケツの中に入っている魚の数が異常だよ。
もう3つ目のバケツじゃん、しかも今また釣れたし・・・。
そしてまたエサを付けて投げ入れている。
ん?? はっ!? 何それ!?
投げ入れた瞬間釣れてるんだけど??
え、それチート釣り竿じゃん??
それエンチャントでも付いてるんじゃないの??
ああ分かったよ、僕が全く釣れない理由が。
僕の方に来るはずのお魚さんたちが、みんな揃って僕の前に辿り着く前に、隣のチートお兄さんの釣り竿に吸い寄せられて全部取られちゃってるんだよ。
だから僕が1匹も釣れないんだよ・・・。
理不尽じゃないかこんなの!!
もういいもん、場所変えるもんっ!!
僕はそのことが分かった瞬間プンプンしちゃってその場を後にした。
そして釣り場として整備された区画を離れて、雑草を掻き分けながら人の居ない河辺までやってくる。
もういいよ、僕はここで釣るんだもんっ。
僕は早速エサを再び付けて投げ入れる。
そしてしばらく浮かぶウキを眺めながら待っていると・・・。
遂にお魚さんがつついて食べたぞ!!
今だ!!
シュポンッ!! バタバタバタバタ
キターーーー!! ようやくお魚さんが釣れたぞ!!
結局その後もここで釣り続けたら、満足する収穫が得られた。
あのままあそこで釣っていたら、釣りが大嫌いになってしまうところだったよ。
もしそんなことになっていたら、あのチート釣り竿お兄さん、許すまじだよ・・・。
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