122.一休み
その後僕たちは部屋へと案内された。
「こちらがお部屋になります。」
そう言って案内されたのは、4人部屋の大部屋だった。
どうやら3人部屋が空いていなかったみたいなので、こちらに通された。
ラッキー!!
この宿の建物の外観は、石と木で造られていたけれど、内装はほぼほぼ木で造られていた。
そのため、部屋の中はほんのりと木の良い匂いがして、心が癒される。
部屋は4人部屋だったため、中にはベッドが4つあり、その向かいには部屋があり、書斎用のテーブルが用意されていた。
また、もう1部屋にはテーブルと椅子が置かれており、普段はこちらで喋ったり休んだりできるようになっていた。
全体的に結構大きめの部屋だが、そういったところでもさすがにお風呂はないようだ。
一応この世界には、お湯を出す魔道具はあるみたいなので、早く普及してくれることを願うばかりだね。
元日本人の僕からしたら、お風呂のない生活ってなかなか耐えられたもんじゃないからね。
一通り部屋や施設の説明が終わり従業員の女性が部屋から出て行った後、ハシュードさんからこの街での予定を聞いた。
この街では主に、山岳地帯で採れる果物や川で獲れるお魚を仕入れるみたいだ。
おお、果物にお魚! 美味しそうだ!!
川魚の塩焼き、好きだったんだよね。
山の方に出掛けるとヤマメやニジマスの塩焼きとか売ってて、それをよく食べてたんだよね。
まさに幸せの時間だよね。
この世界にもそうやって魚の塩焼きを売ってくれている屋台とかないかな?
後で探してみようっと!
それで、その仕入れは明日の朝から、市場に行ってみて行おうということになった。
この街をブラブラするのも明日以降だね、今日はもう日が暮れてしまうから。
そんなわけで、ザックリの明日以降の予定が決まったところで、取り敢えず夕食の時間まで部屋でゆっくりと休憩することとなった。
やっぱり馬車旅って、色々と疲れるんだよね。
お尻が痛くなったり、ガタガタなるから休めなかったり、この世界はモンスターの他に盗賊もでるような世界だから、移動中は周囲の警戒をしていないといけなかったりで、なかなか気が抜けないからね。
だからせっかく宿に泊まれるので、ゆっくりできる今、ゆっくり休んでおかないとね。
ということで、昨日火の番を最後にした僕はちょっぴり眠かったから眠ることにしたんだ。
そしたらカイトも、「ハルトが寝るなら俺も寝よーっと。」と言ってついて来た。
ハシュードさんは明日何を買うかとか色々と考えるようなので、書斎部屋へと向かって行った。
「あ、そうだ。 ちょうどいいぐらいの時間になったら俺が起こしに来るからね。 だからゆっくり寝ていると良いよ、お疲れ様。」
ハシュードさんはそう言って、再び書斎部屋に消えて行った。
優しいなぁ~。
僕とカイトはベッドに飛び込んだ。
うおっ! すごい弾力だ!
このベッド、物凄くフカフカなベッドだよ!!
このベッドだけで超高級ホテルに泊まっている気分だね。
これならすぐに爆睡できそうだね。
そんなわけで隣のベッドに潜って行ったカイトを見てみると、見事にものの数秒で爆睡していたよ。
そう言っている僕も、実はこの後すぐにベッドの布団を被ったら、催眠術にでもかかったの如くすぐに寝てしまったんだけどね。
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それでは次話もお楽しみに!