121.美しい街ベリル
農村地帯での取引を終えた後、僕たちは街道を先に進みベリルという都市まで辿り着いた。
ベリルまでの道中は、特にモンスターとも遭遇することなく、無事に辿り着いた。
ベリルは川沿いにある小規模の街で、村というよりも街という感じの大きさだね。
街道沿いも突然整備され出したので、何事かと思っちゃったよ。
この街の立地としては、周りが山々に囲まれていて、この街自体も見た感じ坂道も所々あるような土地に作られているので、なんだか前の世界のスイスみたいなイメージだね。
なんだかそれだけで平和そうな感じでいいよね!
「こんにちはー。」
「お、こんにちは、いらっしゃい。」
僕たちは早速、門番の人と挨拶を交わしながらベリルへと入る。
特に質問や検査等、何もなく、挨拶だけ交わすと無事に街に入ることができた。
こういう緩い感じが平和で良いよね。
街の中は道が石畳になっていてかなり整備されていた。
その石畳も、よくある自然の石を雑に削ってというものではなく、しっかり精巧に削られ形取られている。
なので、凸凹しておらず真っ平そのものなので、足も疲れず非常に歩きやすいのだ。
もちろん、それなので足を捻る心配もない。
僕は前の世界で観光に行った所の石畳で、歩きにくくて足まで捻って散々な思いをしたことがあったので、トラウマを思い起こされることもないので、僕にとっては非常にありがたい。
しばらく街の中の街道を歩いてみた感じなんだけど、とにかく街の中が綺麗なんだよね。
どこを見てもゴミが落ちていないし、さっきの石畳もそうだし。
あと何より、街の外を流れる川の分かれた小さな河が、街の中を流れているところがあって、その河の水も澄んでいるし、それに架かる小さな橋も可愛らしい。
そう、何をとってもこの街は美しいんだよね。
そんな美しい街を眺めながら歩いていき、目的地に辿り着いた。
そこには4階建てで、外装が石と木組みで造られており、どこかファンタジーもののゲームの中に出てきそうな姿を思い浮かべることができる建物が鎮座していた。
周りの家々も似たような外装の造りの家が多い感じだね。
ここが既に異世界であることは確かなんだけど、この街を見てしまうと、まさに異世界に来たような雰囲気そのものだ。
通りは人通り結構もあって、非常に活気があったしね。
僕たちは早速その建物の中に入って行く。
「いらっしゃいませ、こんにちは。」
中に入ると、女性の方がそう話し掛けてきた。
「こんにちは。 今部屋って空いているかな?」
ハシュードさんがそう聞く。
どうやらここは宿のようだ。
この街ではここに泊まるみたいだね。
「空いておりますよ。」
良かったぁ、無事寝る場所は確保できたみたいだね。
「3名でよろしいですね。 では、お部屋の準備をして参りますので、よろしければあちらのテーブルの上にあるウェルカムドリンクを飲んでお待ち願えますか? そちらの椅子もご自由にお使いください。」
「分かりました。 お言葉に甘えてそうさせてもらいますね。」
「はい。 ではお待ちください。」
そう言って女性の従業員さんは準備をしに行った。
「なかなか綺麗な街じゃないですかここ!」
「そうだねぇ。 ここはいつ来ても心が洗われるよ、とにかく綺麗でいいんだよね。」
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