117.コルト村との別れ
その後の延長した日程で僕たちは、1日中ゴロゴロして身体を休めたり、1日中トランプしていたり、たまに串焼きを食べに行ったり。
ライムくんたちと遊びに行ったり、先に出発するということで、寂しいお別れをしたり。
色々とダラダラと過ごして、いよいよ僕たちも出発する日がやってきてしまった。
その日の朝。
「おはようハルトくん。 今日から出発になるけれど、ちゃんと休めたかなぁ?」
「おはようございます、ハシュードさん。 はい、ゆったりと休むことができました。」
「そうかそうか、それならよかったよ。」
「今回、村や森での経験は今後の役に絶対立つはずだよ。 なんせ、こんな事態、ハルトくんが運が悪すぎる人間じゃない限り、滅多に遭遇するもんじゃないからね。」
「はい! 今回の経験、忘れないで今後に活かしていきます!」
「うん、頼んだぞ。」
「はい!」
その後いつものように、マコトさんと朝の挨拶を交わし朝食を食べる。
マコトさんの作る料理は今日も美味しい。
この美味しい料理が食べられなくなっちゃうのは悲しいよね・・・。
その朝食をペロリと完食してしまい、部屋に戻って出発の支度をする。
しっかり荷物はまとめてあるか、忘れ物は本当にないか、干しっぱなしで入れていない洗濯物はなかったか、ベッドや机の下など、落ちて転がってしまっているままのペンとかその他物はないか。
そういった感じのことをずっと確認して、ようやく出発の準備が整った。
こうここまで入念にチェックするのは、大事なものを忘れないためってこともあるけれど、どうでもいいかもしれないものでも、簡単には引き返せないからだ。
ここからは今までどおりの馬車での移動生活だ。
車や電車のある前の世界と違い、移動はそう簡単に済むものではないので、結局取りに帰ることは困難い等しいからなんだよね。
「カイト、ハルトくん。 忘れ物はないな?」
「ないぞ~。」
「はい、ありません。」
「そうか、じゃあ出れるな。 何だか色々あったけれど、か寂しいものだね。」
ハシュードさんがそうつぶやく。
そしていよいよ馬車に荷物を積み込み、いよいよ本当にコルト村ともお別れだ。
玄関まで見送りに来てくれたマコトさんに、お礼と少し会話を交わし、お別れをする。
そしていよいよ馬車へ乗り込むと出発する。
マコトさんに見えなくなるまで手を振った。
そしえその後冒険者ギルドに連絡を入れておくため、一時停止する。
「お主ら、今日出発じゃったろ?」
するとソーグさんが出迎えてくれた。
そのことについて話し、お願いしていた素材の買い取り等の買い取り価格の受け取りも済ませると、遂に僕たちは村を後にする。
いよいよだ。 長かった分お別れは辛いけれど、旅というものはそういうものなのだ。
そう割り切って、泣いてしまいそうな瞼を抑え込み、お別れをしていく。
そして門に差し掛かるとそこには、ちょうどロードさんの担当時間だったようでロードさんがそこにいた。
「ロードさ~ん!! 今日これから出発なんですよ。 今回は色々とありがとうございました!」
そう声を掛ける。
「それはこっちもだよ。 ありがとうな。 でも、もういなくなっちゃうのかよ・・・。 寂しくなるなぁ。」
「そんな元気出してくださいよ。 いつかまた来ますので。」
「そうか、そうだよな。 あぁ。」
3人ともがそれぞれお別れし終わった後、ロードさんが口を開く。
「あ、あとなこれ言い忘れた。 元気でな。 気を付けろよ。 それと、また絶対きてくれよな。」
「はい!」
こうしてコルト村を後にする。
いよいよ次の冒険の始まりだ。
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