114.最終報告会
次の日、朝起きて顔を洗い朝食を食べた僕たちは、準備をして冒険者ギルドへ向かった。
冒険者ギルドへ着くと、すでに来ていた冒険者たちによってギルド内は昨日とは違い、活気に満ち溢れていた。
僕たちは食堂の席が空いていたので、飲み物を頼んでゆっくりと時間まで過ごした。
そして時間になると広間へ向かったけれど、その頃にはもう、一昨日のようにギルドの広間は人でパンパンになっていた。
時間になると今日は珍しく時間通りにソーグさんがやってきて、壇上に上がり話し始めた。
「みなさん、おはようございますじゃ。 今回の森での騒動の一件、ご苦労様じゃった。 みなさんのおかげで森のモンスターは駆除されたのじゃ。 今はモンスターがいないが、じきにしばらく経てば正常な数に戻るじゃろうから、そうしたらまた依頼が出てくると思うので、それまでは別の森の依頼だけになるのじゃ。」
すぐにはモンスターが復活するわけでは無いみたいだね。
「それで、一昨日じゃが斥候の者にに森を見に行かせたところ、モンスターたちが消え去っていて、代わりにクォーツたちが大軍でいたようなんじゃ。」
この一言で会場がガヤガヤとし出す。
「じゃが安心せい。 クォーツたちは増えすぎた森のモンスターたちを狩ってくれていただけのようじゃ。 このことは昨日、クォーツたちの村に派遣して直接彼らとコンタクトを取って確認してもらった者たちから、問題ない旨の報告を受けている。」
そして一息置いて続ける。
「さらに言えば、彼らクォーツたちは、このコルト村に攻めてきたり人間を襲ったりする意思はないようじゃ。 もっと言えば、友好的に接したいと申しておる。 今後もしかしたら交流が生まれるかもしれないことは、ここにいる者には知っておいてもらいたい。」
会場中で安堵の声が聞こえる。
モンスターの脅威が去ったと思ったら、今度はクォーツだなんて言ったらたまったものではないからね。
「それで話を戻すが、これにて今回の騒動が解決したわけじゃ。 つまり任務終了じゃ。」
数呼吸置いて続ける。
「任務完了に当たって、もちろんこれは功績になるのじゃ。 なので協力して参加してくれた皆には、冒険者ランクの昇給と感謝の品を用意しておる。 これは今日臨時で設営したあちらの受付と、通常の受付、どちらでも受け取れるので、帰る前に寄って行ってもらいたい。」
そう言いながらソーグさんは、臨時で設営された受付カウンターを指差した。
一列にズワーっとカウンターが並べてあり、職員さんがそれぞれのカウンターに配置されていた。
「では、最後になってしもうたが、今回の騒動に当たって協力してくださって、ありがとうございましたなのじゃ。」
そう言ってソーグさんが壇上で深々と頭を下げた。
すると、パチパチパチパチ!!
会場中から拍手が沸き起こりこの最終報告会はお開きとなった。
その後僕たちは、例の臨時で新設されたカウンターのほうに向かったのだが、どうにもこうにも大行列で一向に終わりそうになかったので、先ほどの食堂の席に戻って昼食を先に食べることにした。
今日は、名物のホクホクイモを使ったシチューを頼み、しばらくしたら美味しそうな料理が運ばれてきたので、ペロリと平らげてしまった。
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