妹
(今回のお話は山鹿 流河の視点でお送りします
一応彼女は誰なのかを説明すると主人公の彼氏(元男)の妹です)
突然ですがまずは釈明させて下さい。
お兄ちゃんと長年口をきかなかったことを。
お兄ちゃんは悪くありません。
理由は私にあります。
私は小中と女子校に通っています。
私はある友人のせいで男性恐怖症になりました。
男子のあること無いことを吹き込まれて。
男子が怖くなったのです。
そして次第に家族にも男性がいないと思い込んだのです。
幸い母子家庭でしたし。
でもそれは幻想でした。
思い込むことと現実は違います。
あっさりとお兄ちゃんが男であることが分かったのです。
私の何気ない一言で。
それからお兄ちゃんと会話をすることすら恐怖になりました。
だから長年お兄ちゃんと話すことすら出来ませんでした。
ちなみにその友人はあれだけ男性嫌悪だったのに今ではあっさりと彼氏を作っています。
そしてあれだけ私を洗脳した彼女は私を男性恐怖症にしたことなどとっくに忘れています。
もちろん、縁を切っているのでもう二度と会うことはないでしょう。
私も彼女の顔を見たくはありません。
そして、そんな私に転機が訪れたのです。
それはお兄ちゃんが急に性転換したこと。
もちろん我が家はしっちゃかめっちゃかでしたが内心私はほっとしました。
これで本当の女系家族になったのだと。
そしてお兄ちゃんは元々背が低かった。
小学生に間違われるほど。
それが性転換してショタからロリになった。
私は妹が欲しかったからめちゃくちゃ嬉しかった。
そして私はやっと姉妹の会話がお互いに出来るようになったことを素直に喜んだ。
もちろん、当人は大変なんだろうが私はとても嬉しかった。
お兄ちゃんの女の子の知識は私が教えたもの。
私が少し腐女子だから大分偏った知識になったけれど。
ちなみに腐女子と言ってもBLは苦手。
どちらかというと百合が大好き。
妹(お兄ちゃん)に教えたBLの知識は友達の受け売り。
私自身はBLの知識はありません。
そして私が百合だと知っている唯一の友達です。
そして念願のお兄ちゃんと一緒の女子校に受かりました。
私は高校1年生です。
私には女子校に入ったら叶えたい夢があったのです。
それはアイドルになること。
それもお兄ちゃんと。
お兄ちゃんは性転換してから一層可愛くなりました。
本当に私の妹にしておくにはもったいないぐらいに。
そしてそのお兄ちゃんに彼女が出来た。
その彼女はクール系ビューティ。
めちゃくちゃかっこいい。
私は自分を含めこの3人でアイドルになるのが夢です。
と言っても簡単にアイドルになれる訳ではありません。
もちろん準備も要ります。
私はめちゃくちゃカワイイ服をまずは作りました。
アイドルらしい服を。
お兄ちゃんの彼女はクールビューティなので青。
私はとりあえず黄色。
そしてお兄ちゃんは一番可愛らしい赤。
お兄ちゃんを説得するのは骨だったけど。
「なんで僕がこんな衣装を着なきゃイケないんだ。
しかも赤なんて」
「お兄ちゃん、別に赤は女っぽい色じゃないよ。
ほら、戦隊ものだって赤はリーダーじゃん」
と言ってお兄ちゃんを言いくるめたけど。
実際、私たちの衣装の色はパステルカラーのように淡い色。
だからお兄ちゃんの衣装は赤と言ってもピンクっぽい
女の子っぽい色にしてお兄ちゃんごめんね。
衣装が出来るとお兄ちゃんに彼女さんを連れてくるように言った。
そしてみっちり1時間練習してから本番に臨んだ。
本番と言っても私の部屋で既存のアイドルの曲を歌って踊っただけなのだが。
その様子をネットにアップした。
歌って踊ってみたというタイトルで。
と言っても既存のアイドルの曲をネットにアップしただけなのだが。
もちろん私たちが実演して。
曲ははもちろん私が一番気に入っている曲
ビビッドロリータというアイドルグループの「midnight kiss」という曲。
このアイドルグループは私のお気に入りのアイドルグループ。
ダンスもかなりキレキレの3人組のアイドルだ。
真ん中で歌っている女の子はお兄ちゃんと同じロリタイプ。
いつも偉そうに威張っている。
それがまた可愛いのだが。
後ろの2人は双子の美少女。
とてもカワイイ。
でも噂によると血が繋がっていないのだとか。
つまり奇跡的に似ている双子系美少女という訳だ。
ネットにあげてしばらく立つとなんと先のアイドルグループが所属する事務所から連絡が来た。
最初、ネットに勝手にあげたことを怒られるのかとビクビクしていたがそうではなかった。
3人揃って事務所に来て欲しいとのことだった。
そして事務所に着くなり私たち3人は社長室に通された。
社長室に入るといきなり社長が
「あなたたちのことは勝手ながらこちらで調べさせてもらいました。
ネットの動画を見ましたが非常に感動致しました。
あなたたちにはアイドルの素質があります。
それぞれのキャラがありますしね。
そしてあなたたちが私たち事務所の方針とも合致する事も分かりました。
これはスカウトです。
是非私たちの事務所に所属しませんか」
私はめちゃくちゃ嬉しくなり二つ返事で了承しました。
他の2人は呆気にとられていましたが。
そこは私の独断です。
この後めちゃくちゃ説得しましたが。
もちろん結果はOKでした。
2人を理解させるまではかなりの時間を要しましたが。
とにかく、明日から私たちはアイドルです。
念願の。
これからどうなるのか非常に楽しみです。




