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6 ぼうぼう 著 星空 『星になった彼ら』
鳥を飼ってる人は鳥が死ぬー「落鳥」という言葉を避ける人が多い。「星になる」-そう呼んで寂しさを克服するのだ。
私は、たくさんの鳥を見送った。悔やまれる別ればかりだ。私は「星になる」という言葉より「旅立つ」と表現することが多い。共に過ごしてくれた時間ーすなわち私の拘束から、彼らの魂が解き放つことだと思うから。解き放たれた魂が星になろうが風になろうが、かれらの自由だと、そう思うから。
仕事で遅くなった夜道、寒さで白い息をもうもうとさせながら、疲れたからだで帰宅の途中、重い足が動かなくなった。そのまま空を見上げると、冬の透き通った空気の向こうの夜空にキラキラ星が輝いていた。まるで、かっての私の相棒たちの瞳のように、その星々は優しく輝いていた。
重いながら足が再び動き出す。今の相棒たちの待ってる家を目指して。
(おわり)




