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11 紫草 著 猫 『ねこ』
猫『ねこ』
「じじ~」
我が子の声が猫を呼ぶ
「じじ~ どこ~」
「どうした!? じじ、いない?」
右へ左へと動き回る我が子をつかまえ、聞いてみる
「じじ おそと いっちゃった」
おやおや。半べそかいている
「大丈夫。帰ってくるから」
「ほんと?」
生まれた時から一緒にいる猫
黒猫の“じじ”
いっつも近くにいるもんね
「お庭で“じじ~”って呼んでごらん。“にゃ”って返事するかもよ」
するとニコっと笑って駆け出してゆく
「おかあちゃ~ん じじ いたよ~」
きっと、その声で逃げてくな
あ。
今度は我が子も出て行った
【おしまい】
著 作:紫 草
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サークル投稿用
*これは以前書いた、童話です。以下はホームページのアドレス。
HP『孤悲物語り』 童話より
http://kohimonogatari.web.fc2.com/douwa/d-neko.html




