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自作小説倶楽部 第4冊/2012年上半期(第19-24集)  作者: 自作小説倶楽部
第20集(2012年2月)/「チョコレート」&「猫」
13/62

3  シェル 著 猫 『月夜の集会』


「 あれ? 山田さんちのルーちゃん 来てないの? 」

 

「 あそこのムスメの友達が泊まりに来たみたいだよ。

 猫好きだからって離してもらえないみたい 」

 

「 最悪だね。 相手するのも大変だ 」

 

「 ま、 それもしょうがないさ。

 山田さんちの猫まんま、缶に入っててさ かなり美味いらしいよ 」

 

「 そういやあ君んちのオトウサン、 浮気がばれたんだって? 」

 

「 そうなんだよ、マジで修羅場。オカアサン 人相変わってたもん。

 せっかくの美人が台無し。 あれじゃ余計 男は引くって。

 オトウサンなんか、 話し相手はお前だけ とか言って

 僕に 沢山ごはんくれるんだ 」

 

「 ケラケラ! それ以上太っちゃ駄目よ 」

 

「 あんたのとこのゴシュジン、最近帰ってないじゃん。 何してんの? 」

 

「 なんかね、研究してるみたいよ。 宇宙の研究してるんだって 」

 

「 宇宙? 」


「 ビッグバン、ブラックホール、 宇宙のなりたちとか 」

 

「 えー! マジで? 」


「 知らないみたいよ、 人間たち 」

 

「 賢そうに見えるけどなぁ 」


「 あ、でも分かる。 

 人間ってさ 月とか結構近いみたいに思ってるふしがあるじゃん 」

 

「 北極星も 割と近くに感じてるんじゃない? スピカなんかもさ 」


「 宇宙の記憶がないんだ 人間って・・・。 知らなかった 」

 

「 猫も犬も 人間と話せないから教えてあげられないしね。

  ま、知っていても知らないふりしておく方が利口だよ 」

 

「 人間も何か失くしたら そのうち思い出すんじゃない? 」


「 そうなったら教えてあげてもいいね 」

 

「 おまえの最も大切なものは? それを奪う喜びをくれないか 」 


「 それって ゲームかなんかのセリフでしょ?」


「 あ、バレた? テヘヘ。  うちの中学生が好きでねぇ 」

 

「 知らないふり か・・・ なるほどね。

 さてと、 明日も かわいい声でも上げて  思う存分 撫でらせてあげるとするか 」 


「 気まぐれだからねぇ  ゴシュジン様たちは 」


「 エコとか言ってるのに  ポイッて捨てるからなぁ 」

 

「 エコだの 地球を守るだの。

 人間がいなくなれば 地球はすぐ元気になるっつーの。

 エコじゃなくてエゴだね、 ありゃ 」


「 まず人間ありき だからね 」

 

 

「 ほらほら、 愚痴をこぼさないの。だんだん人間に似てきちゃって 」


「 ごめんごめん。  おこられちゃった 」

 

「 おーいみんな、 こっちにおいで。 宇宙がきれいに見えるよ 」


「 ああ ホントだ。今夜も星たちが 見事に遠いなぁ・・・ 」

 

      ~おしまい~

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