1/1
プロローグ
朝、目を覚ました時、私は一人だった。
二人がけ用のベットに私は取り残されていた。
カーテンの色が薄くなるほど、どうやら太陽は照っているらしい。
私はしばらくその光を見つめていた。
どうせ、今日の予定はまた真っ白なのだから…
夏の光は熱かった。
北向きのこの寝室を、蒸し釜のようにしていた。
ゆっくり身を起こして、嫌にひんやりする廊下を歩いた。
どうやら裕は、もう起きてるらしい。
裕はコーヒーを飲んでいた。
横には、山積みになった本。そして、細い煙りをあげるタバコ。
私は、その光景をみて胸を撫でおろす。