表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

7:孤独と怖いと安心

 月曜日。学校が終わって今はアルバイトの休憩中。


 私は誰もいない休憩室で、大事な通帳を眺めていた。


 パパ活をしたおかげで、ここ最近貯金が増えるのが早くなっている。特に石井とは必ず週2日は会っているから、軽く10万くらいは貰っている。



 最近は新規で男と会うより、石井と会うことの方が増えた。ケチ臭くてスケベなことしか考えてない男達と違って、石井は格別。高級な店だけじゃなくて色んな所にも連れてってくれる。この間は丸1日使って隣町のボーリング場で遊んだり、ショッピングモールで服や靴を買ってくれた。それに帰り際には毎回5万円渡してくれる。まさに太客中の太客だ。



 でも、最近はなんか違う。



 最初はただお金が貰えるから会ってたのに、最近は石井に会いたくてパパ活している感じだ。


 私はこの感情が湧く度に、『石井はただのパパ活相手、特別な感情なんてないんだ』と無理やりいい聞かせている。


 たかがパパ活相手に情が湧くとかどうかしてるよ私!


 そう奮い立たせていると、休憩時間が終わっていることに気づいて慌ててレジ打ちに戻った。









 そしてまた金曜日の夜。この人はとんでもないパパ活男に会った。なんと10万出すと言ってきた。


 これは久しぶりの当たり客だと思っていると、男は次の要求をしてきた。


『ホテルで寝たら10万出す』と。


 私は一瞬怯んだ。体を売るのは避けてきたが、10万はでかい。それも1回だけじゃなくて、寝る度に毎回出すと言ってきたのだ。


 私は迷ったが、10万に目が眩んで了承した。




 男は私の肩を掴んでホテル街へと向かう。



 了承したとはいえ、私は焦った。


 パパ活のこういうこと抜きで、そういった経験は全くない。一体どんなことをされるのかわからない。


 怖い…どうしよ…



 でも……





 もう、どうでもいいか…


 どうせ1億円貯まったら死ぬんだし。


 今さら怖いことなんて…




 そういい聞かせて、男とホテルに入りそうになったその時だ。



 誰かが私の腕を掴んで、来た道とは反対方向に走り出した。急ですぐには気づかなかったが、後ろ姿でわかった。



 石井だった。





 ホテル街を抜けてしばらくして立ち止まった石井は、私の両肩を掴んで大声で怒鳴った。


 怒るとは違って『なんでホイホイついて行くんだ』『もっと自分を大事にしないと駄目じゃないか』とお説教に近い感じだった。


 私は目を丸くした。今まで母や教師からこんな風に怒られたことなかったのに。でも、それと同時に…



 目の前に石井がいる。それだけで何故か安心した。安心したと思ったら、さっきまでのことが急に怖くなって、私は人目をはばからず泣いた。


 さっきまで怒っていた石井も、急に泣き出した私にあたふたしている。



 もう自分でも何だかわからなかった。今までこんな感情感じたことなんてなかった。



 ただこれだけはわかる。



 石井に会えて嬉しかった…。






 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ