6:孤独とパパ活と自分磨きと
あの日初めてパパ活をしてから、私の生活は一変した。
平日はいつもどおり家と学校とアルバイトを往復する生活、金曜夜から日曜日まではパパ活する生活になった。
休みはもちろん、前より睡眠時間も減った。なりより母や学校にバレないか心配だけど、それでも今の生活を辞める気はない。
学校では教師たちに目をつけられないように大人しく目立たないように過ごす。パパ活前に母が帰らないことを確認し、場所も学区外を指定する。
そしてパパ活をするようになって、私は自分磨きに力を入れるようになった。
あまりお金をかけずに100均やプチプラブランドのコスメを買ってメイクを勉強し、男心をくすぐるテクや会話術を身につけた。
金曜の夜。アルバイトが終わるとすぐ、歩いて20分程の駅のコインロッカーから鞄を出して近くの公衆トイレで準備をした。
学校指定の制服からミニ丈のニットワンピースに着替え、フリマサイトで買ったウィッグをつけて髪を長くし、YouTubeのメイク動画で覚えた時短メイクを施す。
わずか10分程で別人に変身した。
私は荷物を片づけ、トイレの鏡で全身チェックする。
準備完了したら荷物をロッカーに入れて、駅前のベンチに腰掛ける。
周りを見ると、自分と同じようにベンチに座ってたり駅の入り口の前で立っている女子高生が何人もいる。
この場所はいわゆるそういう人が集まる場所なんだと思った。
しばらくして、40代くらいの男が私に話しかけてきた。男はこういうことに慣れてるからか、すぐにいくらなのか金額を要求してきた。
私は前の石井と同じ5万と答えたが、男はその値段にしぶっていた。交渉に交渉を重ねて、結局半分の2万5000円で和解した。
正直不満しかなかったけど、我慢した。
男はとにかくケチで、ご飯は近くのファミレス。オマケにホテルに誘い込もうとしたから上手くスルーしてお金を貰って別れた。
私は値段交渉からずっとイライラしてこのまま帰る気にならなかったから、ある男に連絡した。
石井だ。
時間も21時過ぎてたからさすがに無理かなと思ってたが、石井はすぐに行くと答え、その15分後本当にきた。
車で来た石井に連れられて、有名な高級しゃぶしゃぶ店で二度目の夕食。
さっきのハズレの男とは違って、石井は太っ腹だった。ファミレスであまり食べなかった私はお構いなしに色々注文したけど、石井は嫌な顔しなかった。むしろ、どんどん食べていいよと笑顔で言う。
店を出た後、石井は家の近くの駅前まで車で送ってくれて、帰り際前回と同じ5万円を渡して帰って行った。
その日はすぐに眠れなかった。生まれて初めてあんな高級な肉を食べたことなかったのもあるが、私は一番気になっていたのは石井だった。
他のパパ活の男達とは違って、ホテルの誘いや変な要求もしてこない。なにより、石井といるのがほんの少し楽しかった。
なんだろ、この気持ち…
私はハッと我に返る。
なんでパパ活の男に情なんて湧くんだよ!
石井とはただのお金だけの関係。それ以上のことは絶対ないんだから!
そう自分にいい聞かせ、また明日からのパパ活に備えて眠ることにした…




