4:孤独な学校生活
月曜日。また憂鬱な平日が始まる。
寝ぼけた頭と体を無理やり起こし、日課である通帳は眺めて少し目が覚める。顔を洗って、トーストとコーヒーの簡単な朝食を済ませる。
食器を洗って歯を磨き、もうすっかり見慣れた制服に腕を通して学校に向かう。
家から20分かけて学校に到着し、教室に入る。
私が登校しても、挨拶を交わす人はいない。皆それぞれグループを作って談笑している。
私は教室の一番後ろの窓際、自分の席に座ってすぐにイヤホンを付けて、スマホで音楽をかけた。
クラスメイト達の話し声は、私にとって耳障りだ。
化粧やファッションの話、好きな異性の話、付き合った別れたの色恋沙汰話、男子の悪ふざけする騒音、ここに居ない誰かの悪口。
聞いてるだけで吐き気がしてくる。
ここにいる連中は毎日をダラダラ過ごして、テキトーに大学を出て、テキトーに社会人になり、テキトーに結婚して家庭を築く。そんな未来が関の山だろう。
だけど、私は違う。
私はちゃんと目標がある。
『1億円貯まったら自殺する』
これだけを糧に今日も生きている。
ここにいる奴らとは格が違うんだ。
私は授業が始まるまで顔をうつ伏せて寝たフリをして時間を潰した。
授業が始まっても、半分上の空。
教師は教科書に書いてある文をただ読み、黒板に書き写し、適当な所で生徒を指名して問題を解かせる。
こんなつまらないやり方の繰り返し。
勉強は嫌いじゃないが、こうダラダラした感じが嫌だ。これなら1人で自習してた方がよっぽどいい。
私は話半分聞きつつ、授業が終わるのをひたすら待ち続けた。
お昼休み。クラスメイト達はそれぞれグループを作って昼食を摂ったり、別の教室に移動したりする。
私は昼休みになると移動なんかせず、自分の席で朝買ったコンビニのお弁当を食べる。昔から1人の時はコンビニ弁当だったから苦ではない。母の料理よりも食べている味だ。
ふと、少し離れた席にいるクラスメイトが、一瞬私の方を見るとヒソヒソと何か話している。
どうせボッチの私を憐れんでいるだけだろう。
私はそんなことに気にも留めず、オカズの唐揚げを口に運んだ。
長い授業も終わった。ようやく苦痛から解放された。
これからが本番だ。今日もアルバイトがある。
今の私はお金を稼いで1億円貯めることが生きがいだ。
1億円貯めて自殺すること。
それこそが、この息苦しい毎日が抜け出せる唯一の方法だ。
そうして私は今日も目標のためにアルバイトへと向かうのだった。




