図書館での共通点
月曜日の放課後、図書室は静かで柔らかな光が差し込んでいた。
私はカウンター近くの机で、本を開いてページをめくる。
夢中になって読んでいるのは、ずっと好きな小説家の作品だった。
ふと、隣の机に誰かが座る気配がした。
振り向くと、水城遥先輩が立っている。
「邪魔しちゃった?ごめんね。その本……立花さんも読むんだ?」
思わず心臓が跳ねる。先輩から話しかけられるなんて。
「え、はい……好きで」
小さな声で答えると、先輩は軽く頷いた。
「この作家、私も好きなんだ。文章の雰囲気が好きで、よく読むんだよね」
「わあ、私も全く同じです!この作家の文章のリズムとか、登場人物の描き方が好きで……」
共通の話題が見つかっただけで、胸の奥がじんわり温かくなる。
先輩の横顔を見ながら、自然に笑みがこぼれる。
「そうなんだ。立花さんと趣味が合うんだね」
先輩が少し嬉しそうに言った。
「はい……」
思わず頷く私に、先輩も笑った。
◇
そのあと、二人で本について少し話すだけだったけれど、いつもより距離が近く感じられる。
先輩の声や笑顔に、胸が高鳴る。
図書室の静かな時間の中で、私たちは自然に同じページの話題で盛り上がった。
――小さな共通点が、こんなにも嬉しいなんて。