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月曜日の図書室

週明け月曜日。

 朝の校舎は少し肌寒く、生徒たちの声でにぎやかだった。


「おはよう、梨緒」

 声をかけてきたのは拓海。

 「おはよう、拓海」

 軽く笑い返しながら、私は教室へ向かう。



 午前中の授業を終え、昼休み。

 沙耶や美琴と教室でお弁当を食べながら話す。


「梨緒、週末どうしてた?」

「えっと……ゴロゴロしてたり、動画見たりしてたかな」

「まさに休日って感じだね」

「うん、久しぶりにゆっくりできた」


 他愛ない話。心の片隅で、先輩のことをちらりと考えてしまう自分に気づく。



 昼休みが終わるころ、明里と一緒に図書室へ向かった。

 文化祭の展示や記事の参考資料を探すためだ。


 書架の間を歩いていると、ふと同じ棚の向こうから見覚えのある姿があった。


「先輩……?」

 水城遥先輩が、私と同じ雑誌を手にして立っている。


「立花さん、この本?」

 明里がにこっと笑う。

「先輩と梨緒、同じ本だね」


 先輩は少し驚いた顔をして、私に微笑んだ。


「ああ、そうだね。立花さんも読むんだ」

「はい、ちょっと気になってて……」


 会話はほんの数分。名前を呼ばれたことはすでに自己紹介で済んでいるので、今日はただの雑談。

 でも、先輩の声や表情が近くにあるだけで、胸が少しざわつく。


「じゃあ、私はそろそろ返すね」

 先輩はそう言うと、雑誌を戻して立ち去った。


 図書室に残った私と明里は、しばらく静かに棚を見つめる。


「なんか、ドキドキするね」

 小さくつぶやくと、明里が笑った。

「わかるよ、先輩だもんね」


 それだけの、何でもない時間だった。

 でも、月曜日のちょっとした日常が、少しだけ特別に感じられた。

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