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ある優しい少女の日常  作者: 一ノ瀬みゆき
6/8

採用面接




これは全てフィクションです。


こんな人生があったら皆さんはどのような感想を抱くのでしょうか。




 それまで『学校』という社会しか知らなかった少女は大人の世界に触れた。


「○〇さんのお宅ですか? こちらは××省の人事課ですが……」


「えっ? 合格発表は明日ですよね?」


「はい、発表は明日ですが、合格されてこちらで働いていただきたい方には電話しております」


 少女はどこの役所なのか?面接が何日なのか?をとりあえず聞いて電話を切った。


「お姉ちゃん、この前にもいくつも電話が来てたんだよ」


 弟が受けた電話はどこの役所かは聞いたようだが、

 どんな役所があるか知らないので間違っていたところもあった。


 また、電話が鳴る。


「○〇さんのお宅でしょうか? こちらは△△省の人事課ですが、

 この度は優秀な成績での合格おめでとうございます」


 合格した実感がないのにそんなことを言われた。


 結局、合格発表前日に8か所の役所から電話があった。



 帰宅した父親にその話をすると、コネを使って合格者名簿を入手してくれた。

 

 少女は数千人の合格者の中で2位だった。

 合格者の中には少女が行こうとしている大学の学生もいたが、少女の成績には及ばなかった。


 少女の上には数点差で1人、商業高校の女性だった。少女の下には5点以上の差で3位がいた。


 確かに『優秀な成績で……』と言われるわけだ。



 少女はちょっとだけ安心した。

 自分の学力が著しく劣っている訳ではないと知ることができたから……。



 電話を掛けてきたのは本省の1部局もあれば、本省の人事課もあった。

 

 いくつかの面接に行った少女は役所ごとの違いを感じ取った。


 基本、相手からは『ぜひ、うちに来てください』と言われたが、


「私は夜間の大学に通いたいです。こちらの役所では通うことができますか?」


 必ず確認した。


A「う~ん、うちの役所は難しいですね…」

B「大学に通いやすい部署に配置します」

C「うちは採用されたら夜間の大学に通ってもらいます」


 様々な反応だった。


 就職することがメインではない少女はCを選んだ。



読んでくださりありがとうございます。


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