公務員試験
ノンフィクションみたいなフィクションです。
時代はバブル崩壊前なので、現在とは制度が違うかもしれませんが、
当時の少女の気持ちを考えてみていただければと思います。
少女のメインは大学進学、それに支障のない仕事をしたかった。
高校で底辺の成績だった少女は自分の学力を知りたかった。
定期テストの相性が悪いとは感じていたが、成績ほど自分の頭が悪いとは思えなかったからだ。
就職するにあたって、物欲のない少女はそんな人間に物を売るのは大変だ……。
他人を蹴落とすような競争も苦手だ……。
決められたことをルール通りにやればよいであろう公務員が選択肢に上がった。
以前、撤去された自転車の問い合わせで市役所に行ったとき、狭い部屋に中年の男性と若い女性が1人ずついて、男性は「課長」と呼ばれていた。
市役所でそんな仕事はごめんだと思った。
必線的に国家公務員を選択することになった。
公務員になるには試験に合格しなければならない。
『高校では底辺の成績である自分でも受かるのだろうか?』
普通は試験に向けて勉強するのだが、少女は学力試験の勉強は一切しなかった。
適性試験(知能テストみたいなもの)だけ慣れるために2~3回やってみた。
もし、落ちたらそれまでのこと、自分の実力がわかって良いと思っていた。
親戚のおじさんは「何番で受かるかだな?」とか言っていたが、本当に受かるのか不安だった。
そして試験当日を迎える。
合格発表前日、少女は明日の緊張を振り払うように友人と街に出かけていた。
ふとしたことで、家に電話を入れてみた。
「なんかいろんな所から電話が沢山かかってきているよ」
弟が慌てていた。
とりあえず、家に帰った少女は偶然鳴った黒電話を取った。
「○〇さんのお宅ですか? こちら××省と申しますが……」
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