幼少期の思い出
ジャンルがどれになるのかわかりませんが、思い浮かんだことを書き連ねてみます。
ノンフィクションっぽいフィクションとして読んでください。
少女の記憶は幸せな家庭の思い出に包まれていた。
幼稚園では男子にいじめられてほぼ毎日泣いていた……。
しかし、少女には幸せな家庭が待っており辛くはなかった。
ちょっと個性的な父と優しい母親、少し生意気な弟が少女の家族。
父親は仕事が忙しく不在がちだったが、家には笑顔が溢れていた。
少女はふと考えた。
『他の皆もこんなに幸せなのかな? そうだと良いけど』
幸せでない家庭があるなんて想像もできなかった……。
少女は小学2年生になった。
ある日、担任の女性教師に聞いてみた。
「先生は結婚しているの?」
少女はその先生が好きだったので先生にも自分と同じように幸せな家庭があって楽しい日常を送っているのかな?
と思ったのだ。
しかし、彼女の問いは担任を困惑させた。
ませた女の子だと思われたようだ。
困惑した担任はすぐに答えなかった。
少女は『もしかしたら、先生の家庭は自分の様に幸せが溢れたものではないのかもしれない』と感じた。
ある日、理科の時間に校庭で栽培している花の観察するように言われた。
観察して画用紙にチューリップの絵を描くのだ。
みんなは赤や黄色の模様が上手に描かれており、ひと目でチューリップだとわかった。
少女は疑問に思った。
『花びらの模様を描くのが観察なの?』
少女は絵が上手くなかったが、少し考えこんで、画用紙にクレヨンを走らせ始めた。
出来上がった絵はチューリップの断面図だった。
これなら模様が上手く描けなくても人並みの見た目になる!
少女はその絵を担任に提出した。
教室に貼りだされた絵は、少女の物以外、
全てチューリップの模様が綺麗に描かれていた。
その後に行われた親と教師の面談で言われた……。
「私も長く教師をしていますが、チューリップの断面図を描いた子は初めてです」
個性的な父親の血なのか、少女も少し個性的だったようだ。
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