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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

李ちゃんはギャングを相手にたったひとりで無双する

罪のない大勢の人々から金を巻き上げ好き放題に暴れられて警察でも対処できないとスター流に依頼があり、さっそく李が派遣された。


長い赤毛の三つ編みに切れ長の瞳。


透き通るほど白い肌。


細い体に赤のチャイナ服がよく似合う少女は敵の本拠地に乗り込んだ。


「私はスター流のリー。あなたたちを倒しにきた」


抑揚のない声で告げるとギャング達は笑った。


愛と正義をお題目に超人的な力で犯罪組織を壊滅させるスター流の噂は耳に挟んでいたが、こんな子供が派遣されるとは。


「お嬢ちゃん。俺たち大人を舐めないほうがいいぜ」

「私を甘くみない方がいい。命を捨てたくなければ」

「このアマァ……!」


青筋を立てたギャングのひとりが殴りかかるが、李は表情ひとつ変えずに拳を回避し、よろめいた相手の腹に鉄拳を叩き込む。


うめくことさえなく、倒れたギャングは動かなくなった。


大人が子供相手に一撃で気絶された様を見て、ギャング達に動揺が走る。


懐からナイフを取り出し切りかかるが、李は人差し指だけで迎えうち、受け止める。


振り下ろされたナイフは小指に触れるとあっさりと弾き返され、地面を滑った。


驚愕する男の喉元に貫手を見舞って息の根を止め、別の男が振るってきた斧を躱し、顎を蹴り上げる。


別の男が突き刺しにきた包丁を脇で受け止め逃がさないようにして鉄拳を穿つ。


多人数で泣く子も黙る恐怖のギャングを相手に素手で李は相手をしていた。


斧やナイフなどの刃物が通用しないと悟った残りのギャングは胸元のポケットから拳銃を出し、一斉に発砲する。轟音が鳴り響き銃弾が炸裂する。


白煙が収まり弾が尽きた時、彼らは見た。


服こそ無数の穴が空きボロボロになっているものの、身体には傷ひとつ付いていない少女の姿を。


彼女の足元には無数の弾薬が転がっている。


並の人間なら無惨なハチの巣となり息絶えている状況なのに平然と歩を進めていく李に男たちは恐怖で青くなり、小便を垂れ流した。


李はボロボロになった服を脱ぎ捨て、残った男たちと向き合う。


適度な大きさの胸をスポーツブラで隠した上半身は腹筋が割れているのがわかるほど引き締まっている。


拳銃を落とし、部屋の隅へと追い詰められるギャング達を睨み、李は拳を固めた。


「い、命だけはお助けを!」

「俺たちが悪かった許してください……」

「寄るな化け物ォ!」


錯乱し命乞いをするギャング達の声に耳を傾けた李は再び嘆息して言った。


「武器頼りで調子に乗るにわとりにはお仕置きが必要。あの世でたっぷり反省して」


放たれた足刀は容赦なく残りのギャングの首を刎ねた。


無音となったギャングの本拠地で李は身体の埃を払って周りを見回す。


壁に開けられた銃弾の穴、床は数センチほど血が溜まっている。


鉄の匂いが強く、李は整った顔をしかめた。


ボロ切れになった服を拾って扉を開けて外に出てから、アジトの前に立つ。


軽く息を吸い込んでから発勁。渾身の力で掌から氣を放つとアジトは斃れているギャング達共々塵と化し、後には土地だけが残された。


悪は潰えた。この街は平和を取り戻すだろう。


ギャング団が街を荒らしまくるイナゴなら、李はハリケーンだ。


害悪を巻き込み全てを破壊して去っていく。


李は人を捨て、超人となった。永遠の命を得た。


この世の悪を滅ぼすまでスター流の歩みは止まらない。


「私ができるのは破壊だけ。創造はできない……」


一筋の涙を流し、李は瞬間移動でその場を去るのだった。


おしまい。


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