第1話 追放
この作品は、クソラノベ量産機の私が書きたい物を書くだけの作品となっております。
気楽に続きを書く事もあるので、たまに見に来る程度にしてください。
第1話 追放
ダンジョン、それは冒険者達の好奇心を刺激し最奥には強大な力を持つモンスターが巣食い力試しをする者や宝探し等、多種多様な目的で挑む者達が跡を絶たない。
だが、何故ダンジョンが存在するのかは謎で攻略されたダンジョンはいつの間にか消えていたり、新たなダンジョンが発見されては人々の暮らしを豊かにしていく。
そんな中、この俺ディールもその一人なのだが、
「うおおおお! 来るなああああ!!」
「グオオオオ!!」
ぶんぶんと両手に持った斧を振り回すミノタウロスと絶賛チェイス中なのである。
「うわマジか!?」
「フー、フー……グオオオオ!!」
(やべぇ、殺られる!!)
その時ミノタウロスの胴体が真っ二つになり、仲間の一人であるガリアスが俺を見下した様な目付きで呟く。
「使えねぇな……ったく。」
「ご、ごめん……他の皆は?」
「お前が遊んでるうちにダンジョン攻略は終わってんぞ、間抜けが!」
「もう、そう言わないの! ディールだって頑張ってるんだから、ほら手出して。」
「あ、うん。」
ガリアスの後ろからヒョコって顔を出し俺に手を差し伸べたのは幼馴染みで回復担当のエナ、白髪で宝石みたいに綺麗な蒼い瞳をしている。
「ふん、帰るぞ。」
(俺がミノタウロスから逃げてたのはエナを護る為だったんだけどな、ガリアスには分からないか。)
「ありがとね、ディール。」
帰り際、エナがお礼の言葉を耳打ちする。
どうやらエナには俺の行動の意味を理解してくれていたらしい。
ダンジョンから出て冒険者ギルドで報酬を分ける作業をしているとガリアスからスキル本を渡される。
「これは?」
「お前と同じ役立たずのスキル本だな!」
こいつは冒険者パーティー“バスターロール”のリーダーのガリアス、何時も俺に何かとあたりエナに色目を使って自分の格好良さをアピールする変な奴だ。
因みに武器は大剣で、豪腕のガリアスなんて二つ名持ちだ。
「ぷぷ、確かにお似合いかもねー。」
この人は精霊使いのマルタ、普通なら詠唱が必要な魔法を無詠唱で放てる女性だ。
髪は黄色でロングヘアーで紅い瞳をしている、魔法使いみたいな恰好をしていて杖を持っているけど精霊の力が無いと無詠唱で魔法が放てないのに妙に自信家なんだよね。
「それで、少しはマシにはなるか?」
次に発言したのはアルタ、筋肉質で強化した肉体はどんな攻撃も通さずパーティーの壁役としてガリアスの指示でエナを護っていた。
まあ、流石に一人で後ろの魔物からの攻撃にも直ぐに反応出来る訳じゃないから、今回後方からエナを狙っていたミノタウロスに石を投げて自分にターゲットを変えさせて逃げてたんだけど、ガリアスからはヘマしたみたいに見えたらしい。
「うむ、その本には“透明化”のスキルが覚えられよう。 荷物持ちのディール殿には最適なスキルかと存じるでござる。」
この異様な東国の忍び?と言った風貌の男性はオチバと名乗っていたけど、皆あんまり彼の事は詳しく詮索しない様にしている。
ただパーティーではダンジョン内の罠や宝箱から出てきたアイテムの鑑定を主に担当している。
「今までだってディールは役に立ってきたでしょ?」
この子はエナ、さっきも言ったけど回復術士だ。 他にも回復術士はいるけどエナは周囲の仲間に少し時間は掛かるけど少ない魔力で全員を完全回復する魔法が使える。
「ああ、そうだな。 だが、それも今日までだ!」
「それってどう言う。」
「どうもこうもねーよ、おい新人こっちに来な!」
「待ちくたびれましたよ、何時まで待たせる気ですかぁ?」
ガリアスがニィと口角を上げ、待たせていた人物を招き皆に紹介する。
「紹介しよう、俺達の新しい仲間ザマだ!」
「新しい仲間? 初耳でござるな、して職業は?」
「皆様始めましてワタクシの名はザマ、荷物持ちです。」
「え、俺と同じ?」
「ほう、貴方ワタクシと同じ荷物持ち……つまりポーターですか興味深い! 貴方の荷物を拝見しても?」
「まあ、良いけど。」
「では失礼。」
ザマと名乗った蒼い髪をした黄色い瞳の男は俺に詰め寄り、荷物の中身を調べ始める。
「ふむ、貴方……荷物持ちを舐めているのですか?」
「な、何がだよ?」
「荷物持ちと言うのは、ただ荷物を運ぶだけの職業ではありません! 何故なら仲間全員の命を預かる職業なのです、この荷物の中身が貴方がいい加減な事を証明しています!」
「ちょっと! いきなり何なの、ディールはいい加減なんかじゃ……。」
「いいえ、いい加減ですとも! 見なさい、バッグの中身が乱雑に詰め込まれているではないですか! 本来であれば、魔法使いが多いパーティーなら魔力を回復するマジックポーションを、肉体派のパーティーなら体力を回復するポーションを取り出しやすくする工夫が必要なのです!」
初対面ながらにザマは俺のバッグの中身を見ると尋常ではない程の熱血漢な態度でダメ出ししてくる。
それに呼応する様にガリアスは、俺をパーティーから外す事を皆に提案する。
「あーはっはっは! 良く言ってくれた、なぁディールこのパーティーに荷物持ちは二人も要らねーとは思わないか? 俺は断然、使えないディールにパーティーを抜けてもらってザマを迎え入れるぜ?」
「ま、そうなるよねー? 私はガリアスに賛成よ、バスターロールには優秀な人材の方が相応しいしね。」
「うむ、この先は高難度ダンジョンへと挑む機会も増えよう……ディール殿には悪いが拙者もガリアス殿の意見に賛成でござる。」
「え、オチバ?」
「ディール、潔く去るのも冒険者としての各を上げる一つの手だ。」
「アルタまで! エナ、まさかエナまで賛成しないよな?」
「ごめんディール……。」
ガリアスで俺がパーティーを抜ける事を皆賀賛成していく中、エナだけは俺の味方で否定してくれると信じていたが重い口を開いたエナの言葉は皆と同じ意見だと察する。
「満場一致だな、早く出てけよ使えないゴミ野郎。」
「分かったよ、どうせ俺は役立たずさ……。」
冒険者ギルドを後にする俺の背中にはエナが話しかけるが聴きたくもなかった。
「ディール……誤解しないで! 私は……あっ……。」
俺はエナが言い終える前に走った、聴きたくもなかった、裏切られたそんな感情が湧き上がってくる。
それもそうだ、元々バスターロールはエナと二人で立ち上げたパーティーだ。
仲間が増えた時は嬉しかった、けど今は俺が邪魔者扱いだ。
いつの間にか雨が降って来ていた、走っている間に街の外まで出てしまっていた様だ、近くには大木が有りそこで雨宿りをし渡されたスキル本を手にし見つめた。
「どうせ使っても透明化なんてハズレスキル覚えるだけ……俺と同じで使えないか……。」
俺はスキル本を開くと自然と透明化のスキルの使い方が脳内にインプットされる。
第1話〜第5話までは、プロローグとなっております。