表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/35

Ⅱ ギルド

そんなこんなで次の日。


最近の日課を行ってきた俺は早速ギルドへと向かう。


まぁ日課と言っても命懸けなんだが……


その日課というのが薬草採取。

街の外に出て薬草を摘み、それをギルドへ収めるという仕事を続けている。


最初の頃はかなり大変で、事前にギルド嬢から渡された本を読み、薬草の種類、摘み方等を調べていたのだが、それはもう最初は酷かった。


根を完全に摘んではいけないらしく、茎の途中を切って取るようにした方がいいらしい。

この世界の薬草は以上に再生能力が高いらしく、4日もあれば完全に治っているらしい。


自分も初めて見た時は相当に驚いたが、今ではもう慣れてしまった……とは言ってもまだ3回しか体験したことは無いが。


だがそのおかげでかなりステータスが変わった。


____________________________________


治民(おたみ)森平(しんぺい)


Lv4

____________________________________


大部分は前回説明したので省かせてもらうが、なんとLvが4になっているのだ。


これはどうしたって?


説明させてもらうと、この世界のLvup条件はやはりゲームと同じ、一定の経験値を得るというものなのだが、その経験値の取得ぼうぼうというのが、何も戦闘だけではないらしい。


その方法というのが、スキルを使用すること。


スキルLvをあげる条件もスキルを使うことなのだが、ここで1つ言わせてもらうとすれば。


スキルの使用にはふたつの経験値が手に入ることである。


それはスキル経験値。そしてもうひとつがLv経験値。


まぁ勝手に名付けたのだが、つまりは、スキルを使えば使うだけ、強くなれるということなのだ。


え?それじゃ使い放題?


それがそうでも無いんだな。


スキルには2種類存在する。

それが生命スキル。

もう1つは魔力スキル。


生命スキルは自分のHP。つまり体力を消費して使用するものである。


そのため使い過ぎると体中が痛みだし、最終的には死んでしまう。

そのため、使い所には気を使わなくてはならない所が多く、更に近距離の技が多い。

その代わり、一撃が強力というものである。


魔力スキルは自分のMP。つまり精神力を消費して使用する。


そのため使い過ぎると倦怠感が襲い、これまた最終的には死んでしまう。

その分、使い切らなければあとは耐えるだけでいいというものも多いが、魔法を使うものは遠くから狙い撃ちする習慣が多いのか、体力が低いものが多い。

そのため、倦怠感が襲ってくるだけでまともに動けなくなり、逃げることの出来ないという状況が多いらしい。

その分手数を増やしやすいとの事。


ちなみにこれらは全てギルドのガイドブックに載ってあった。


え?それがどうしたって?


皆、俺のステータス忘れた?

魔法Sだよ?


どうやら俺の持つ魔法程度じゃそこまで……というか自分の感じる位では全く魔力を消費しないらしい。


そのため、1度1度の経験値取得量は小さいが、回数をこなすことにより、Lvupが出来るということ……とは言っても実際には魔物を倒した方が楽に経験値を稼げるのだが……


まず俺に戦う力がないこと、そしてスキルLvは、そのスキルを使わないと上がらないということがわかっている。


ん?そんなに何に魔力を使っているのかって?


薬草採取だよ。

鑑定Lv10と探知Lv10。


主にこれを使っていた。


お陰で今ではこの街トップの薬草採取マスターだ。(そもそもそんなに薬草採取依頼を受ける人自体が少ないのだが……)


んで、使っていたと過去形だったのにも理由がある。


それがなんと、無属性魔力付与が使えることに気がついたのだ。


それはある時の出来事なのだが、何となく出来損ないと言われていた無属性付与を試してみたかったのだが、めぼしいものが見つからず、しょうがなしに採取した薬草の1つに付与、その後なに食わぬ顔でギルドへ卸した所、どうやら1つだけとんでもない品質の薬草があったと報告を受けた。


参考までにといい、試しにその薬草がどれなのかを見せてもらったところ、見事に付与した薬草だったのだ。


最初はただの品質の良い薬草だと思われ、いくらか報酬に色をつけてもらうくらいだったのだが、少しづつ、付与薬草を増やして納品したところ、いくつかのポーション製作者が高値で買い取りたいと来たのだ。


どうやら売るか売らないかは決めることが出来るらしく、1部混ざっていた王族関係者の所以外には卸しても良いと伝えたところ、次の日から、報酬がいつもの5倍になっていた。


ギルド曰く、本来ならもっと増やしたかったらしいのだが、取引先も何分急だったため、大金は渡せなかったらしい。だが、日を置けば少しづつでも報酬を増やしてくれるとのこと。


そしてやっと念願の防具、武器を買うことができ、前回の話へとなるのだった。


さて、やっとギルドへ着いたので、まずは受付へ。


「あ!シンペーさん!終わったんですね!こっちです!」


今俺に声をかけてきた受付嬢はリナさん。

初めて俺がギルドへ来た時、親切に基本ルールなどを教えてくれた人だ。


初めてギルドで話したということもあり、毎回リナさんの所へ受付や報告を済ましている。


「何か最近、薬草があまり取れないような気がするんだよねぇ……」


これが俺の今日の報告である。


「……167、168、169……」


その間にも薬草を数えているが、キチンと俺の話は聞こえているんだから不思議だ。

何かそーゆースキルでもあるんかね?


「……386本ですね。で、これのどこが減ってるって言うんですか?」


はい、ジト目頂きました。


「まぁ前に持ってきた872本よりはマシなんですが普通持ってくる本数は多くても10本から15本ですよ?それを数時間でこの本数……貴方が異常だということに気がついてくださいね?」


因みにギルドに貼られている薬草採取の依頼書は常用依頼。つまり、誰でも何時でも受けられる依頼であり、、特に初心者の殆どが受ける依頼(受けない人は相応の実力を持つ人とかあとはただのバカ)な為、かなりの人が薬草を持ってきているが、俺は異常らしいね。


「まぁまぁ、でもないよりはマシでしょ?」

「……ハァ…まぁたしかに貴方の持ってくる薬草は品質が良く……というより最近のは殆どが異常でポーションを作る方々も、そしてそのポーションを使う方達も救われているのは事実ですが……」


と文句を垂れつつ、報酬の銀貨8枚を渡してくる。


この世界の貨幣価値を自分にとってわかりやすく説明しよう。


小銅貨→1番低い貨幣。とりあえず1円と考えている。


銅貨→小銅貨10枚で1枚になる。つまり10円。


銀貨→銅貨10枚で1枚になる。つまり100円。


小金貨→銀貨10枚で1枚になる。つまり1000円。


金貨→小金貨10枚で1枚になる。つまり1万円。


白金貨→金貨5枚で1枚になる。つまり5万円。


こう聞くと、今回自分が貰った額は銀貨8枚な為、800円と少なく感じるが、これはあくまで、自分にとって分かりやすくしているだけで、実際はもっと価値がある。

少なくともこの金額で5回ちょっと豪華な外食ができる程度には……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ