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ⅩⅧ 無気力・人任せ

森平side!

「……」


「………」


「……………………………」



なんで?


何でこんなことになったんだろう。

突然見ず知らずの世界に飛ばされ、理不尽な理由で友達とは無理やりに引き離されて、何とか生きていこうと危険を顧みず稼ごうとしたら殺されそうになる。


なんで?


実はちゃんと今自分がどうなっているのかも知っている。


なんでヒナミさんはこんな俺の面倒を見てくれるんだ?


俺を殺そうとしたヤツらはどうなった?


俺の友達達はどうなった?


なんで?


どうなった?


なんで?どうなった?なんでどうなったなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?


そんなある時、ヒナミさんによって外に連れ出された時、血だらけの青年が言っていることが耳に入った。


『たとえどんな状況になっても……仲間が……誰かが目の前で死ぬことになったら俺は一生後悔すると思ったんだ……だから命をかけてでも皆を守っただけだ!!』


この言葉が離れない。


後悔……今まではまだ辛く思うことはあっても後悔するようなことは無かった。


今、俺は人が怖い。

だけど、目の前で誰かが死ぬような状態になったら多分……後悔する。


もしそうなったら俺は今度こそ本当に死を選ぶと思う……いや、1度自殺しようとして置いて何言ってんだという話だけど。


今も尚俺は死にたいと思っている。

だけど死にたくはない。


この矛盾した二つの意思。

これのせいで俺は頭がぐちゃぐちゃに掻き回されたみたいになる。


一体俺はどうしたら……


ーー???時間経過……



……?外が騒がしい?何が起きたんだ?


……ダメだ、何も見えない。ヒナミさんの家は街外れにあるからあまり見えないんだよな……

まぁ何かあっても自分に出来るわけじゃない……ヒナミさんが何とかしてくれるだろう……


ーー???時間経過……



煩いな……さっきからサイレンのような音が聞こえてくる。周りも真っ暗だし……あぁ、布団を被ってるからか。



ーー???時間経過……



煩い……煩いな……ずっと耳元で音が聞こえてくる……聞き覚えがある気がするけどなんだっけ……この音……



ーー???時間経過……



あぁ、そうだ、思い出した……この音、スキルだ。

確か危機察知のスキルだったはず……てことは今やばいのか……


ヒナミさん……大丈夫かな……


そして布団から顔を覗かせた俺は、そこでやっとヒナミさんがいないことに気がついた。


「あ?あー……あ、うあ……ぁ……」


どこに行ったんだ?ここまで危機を知らせてくるようなことなんてとにかくやばいと思うんだが……


外……外見てもやっぱ分かんないかな……煙?


……なんだ……これ……地獄じゃないかよ……


外には、化け物の群れが広がっていた。

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