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Ⅰ 俺よっわ

……串焼肉うめぇ。


味付けは単純に塩を振っただけの物なのだがとにかく美味い。

そう思うのは肉すら口にするのも久しぶりだからだろうか。


今日は何時もより収入が良かった。

何時もは5時間働いた所で食えるのは硬い黒パンと塩っけのこいだけのスープなのだが、ある程度貯金も溜まり、必要なものもある程度は買えたので、久々に贅沢をしてみたかったのだ。


……とは言ってもこの串焼肉、本来なら一般人でも簡単に買える値段の肉なのだが……


因みに収入とか言っているが、俺はまだ学生だ。更にバイトなんてものでもない。そもそもここは地球ですらないのだから。


それは約2週間前の出来事。


朝、ホームルームの時、謎の光に包まれ、気がついたら異世界にいた。


そんな感じだ。


つまり、この世界に来たのは俺だけではない。わかっている範囲で俺の”学年”だ。


”クラス”ではなく、”学年”である。


100人近くもの同級生がこちらへ飛ばされたのだ。


そして王様。


『魔王を倒してくれ!!勇者様!!』


なんてテンプレ吐いていた時はつい笑いそうになった。


まぁその後すぐに自分にとっては笑い事ではなくなったのだが。


それがこのステータス。


____________________________________

治民(おたに)森平(しんぺい)


ステータス


筋力

身体能力

知力

精神力

オールE(A~F)


魔力S(上限突破)


運D


スキル

魔力操作

魔力付与(無属性)

____________________________________


以上。


うん、これは酷いわ。


ん?A~Fと書いてあるのに、Sがあるのは何故か?


それが異世界の勇者の強みらしい。

本来、上記のランクまでしか持てないのに対し、勇者はステータスの上限突破という物で、Sまで上がるらしい。


さて、ここで1つ。


俺にもSランクのステータスはある。


それは魔力だ。


これがあることにより、魔力保持量、魔法効果が大きく上がるらしい。


つまりだ、このステータスで魔法を使えば強くなれる!!遠距離スババーンも夢じゃない!!


……訳がなかった。


問題だったのが、スキル。

魔力操作。


これ、魔力持てる時点で効果の有無関係なく誰でも持てるらしいです、はい。


魔力付与。


これは本来ならまぁまぁ使えるものらしい。

だが問題なのはその次の表記。


無属性。


本来、魔力付与というのは、物質などに魔法を付与し、特殊な効果を生み出させるものなのだ。


火属性ならそのまま火を生み出し、対象を燃やす、もしくは発熱し、対象を温める効果がある。


水属性ならそのまま水を生み出す。


氷属性なら対象を凍らす、もしくは冷やす効果。


等など、色々ある。


では無属性は?


無いんだなこれが。


魔力をつけるだけなら出来る。だがなんの効果もなかった。凄いね!!ゴミだよ!うるさいわ!!!!


……一応、なにかに使えないか頑張って探した人がいたらしい。そしたら一つだけ……ほんとに一つだけあったんだけど……


それが物理無効化の敵に物理ダメージを与えるという方法。


どうやらこの魔力付与、付与されている状態の攻撃は物理だけでなく、魔法効果も付くらしい。

そのおかげで、物理攻撃が魔法判定になり、ダメージが通る、との事。


ぉぉー凄い!凄いよ!んな事するんだったら直接魔法で殴れよ!


という訳で結論。ゴミ。



……うん、異世界勇者の強みは他にもあるらしく、それがスキルポイント。


どうやら、レベルが上がる度に貰えるらしく、それを使って新しいスキルを覚えられるらしい。


んじゃ魔法覚えたら良くね?


という訳で初回ボーナスなのか、最初からかなりあったポイントを使い、魔法を覚え……られない。



これが俺の覚えられる新規スキル欄である。


____________________________________


経験値増加·鑑定·探知·掃除·料理·鍛治·逃走·隠密

____________________________________


結論。

攻撃魔法くれよ!

なんだよこの日常生活オンパレード!!戦闘逃げ一択!!


という訳で何か全部取れそうだったんで取って……更にスキルLvが最大10なのだが全部MAXにしてもスキルポイントに余裕があった……


どうやら俺、他の人より圧倒的に初期スキルポイント所持量多かったみたいやね、しかも一つ一つの消費量も少ない。凄い!チートだね!戦う力さえあれば……!!


という訳で王様に出てけと言われました。


こういうのは大抵、クラスメイトにもバカにされ、復讐心で強くなるのが定番なのだが……


学年全員が優しかったよ……


何だこのやさしいせかい……やさいせいかつ……てんぷら……う、頭が……


まぁその優しさが御為倒しだったら本当に泣くけどね。


という訳で復讐なんてやる気も起きず、とりあえず頑張って行こうと思った俺だったのであった。

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