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ⅩⅥ 魔道具店とクローズナブル

ちょっと場所の移動、場面の移り変わりの表示を変更しました。

「……森平、たまには周りを見てみなよ?面白そうなのが沢山あるよ?」


十数日続けば簡単に日課になった森平の散歩。

まぁ散歩と言ってもただ私が車椅子を押しているだけなんだけども。


お陰で私もあまり見てなかった街の様子を見て気になるものが増えたりした。あと少なくとも顔見知り程度には知り合いが増えた。


因みに森平は私が声をかけても反応はない。

今もローブを顔深くまでかぶってずっと俯いている。

喋ることも無い。


ただ、いつからか分からないがほんの少しだけ辺りを見回すことが増えた。よく見ると視線がさまよってる程度だけど。


「今日は市場に寄るよ。そろそろ食材の備蓄が尽きるから」


ーー移動中···


市場


「んー、なかなかに賑わってる……さっさと買うもの買って離れよう」


至る所で多数の品物が売られているため、どれを買おうかは迷ってしまうが森平がよりローブを深く被ってしまっているため、さっさと離れた方がいいだろうと思う。


……?猫?赤い猫だ……まぁいいや。


「森平、何か欲しいものある?」


返事はない、一応聞いてみただけである。

仕方ないから自分でなにか探そうと思った時、森平の顔が微妙に上を向いた。


「?なにか気になるものがあった?」


森平の顔が向いている方を見てみると、魔道具店がある。

……一応知り合いの店だし顔出しの意味合いも兼ねて行ってみようかな。


「いらっしゃいま……ヒナミ様!?」

「久しぶり、あと様付け要らないって前から言ってる」


今私のことを見て驚いた女性はミチカという名前で、まだ冒険者として現役だった頃、依頼の途中で助けたことのある人だ。

それ以来私含めてパーティ全員を軽く崇拝している節がある。

はっきりいってちょっと面倒臭い。


「その……お久しぶりなんですが……その方は?」


まぁ触れるよね。


「居候、色々あって今私の所で世話してる」

「その方男性ですよ!?ヒナミ様」

「様付け」

「……ヒナミさんと2人きりだなんて何かあったら……」


何となく言いたいことは分かる。だが、この状態の森平を他にどうすればいいと言うのか。


「大丈夫、そもそもそういう思いをい今抱けない状態になってるし、他のところで世話なんて多分発狂する、この人」

「そう……何ですね……」


何だか悲しそうな顔してるけどまぁこればかりはしょうがない。


「と言うかここに立ち寄ったのもこの人が興味を示したからなんだけど」

「是非またここへ来てください、歓迎します」


すごい手のひら返しだなー。

まぁ敬遠されるよりはいいんだけど……


「とりあえず店の中見て回ってもいい?」

「はい!クローズナブルの関係者なら大歓迎です!」


なんか久々に聞いたな、その名前。

私が所属していた所の名前だ。今はもう無くなってるけど、結構まだ人気はあったりしてる。


ーー少女ら商品物色中···


「……なんか結構凄いのばかり置いてない?」


例えば中上級辺りの属性攻撃魔法が使える魔道具とか。これ効果が高く、誰でも使えるけど、見つけるのも、作るのも大変だと聞いたけど……


「そうでも無いですよ~!!私の作品なんかまだまだです!」

「手作りなの!?」


普通に驚いて変な声が出た……ちょっと恥ずかしい。

でもこんなの軽く世界に名を残せるくらいの偉業なんだけど……


「クローズナブルと関わった人達はみんな何かしらやってますよ?何人かはもう英雄とも呼ばれてた気がします。……それに比べたら私なんてまだまだですよ……」

「何それ初耳」


さっきからポンポンと新情報が流れ込んでくるんだけど……え?これ、私がおかしいの?皆知ってる?ちょっとわかんなくなってきた……


「?どうしたんですか?頭を抱えて」

「……ちょっと常識というものに疑問を持ってるところ」

「?」


まぁ色々と聞きたいことはあるけれど今は森平の為に(自分の為も含む)出来るだけ早く帰りたい。

まだ買い物は残ってるし……あ。


「……それじゃぁ、これ買う」

「え?あぁ、守護者のペンダントですね。ヒナミ様……コホン、ヒナミさんならタダで上げても……」

「それだと商売にならないからだめ」

「……わかりました、金貨15枚です」


支払いを済ませ、店を出る。


「また来てくださいね~!!いつでも歓迎しますから!」


結構長く手を振っていたのは予想できる話……


とりあえず森平の首に先程買ったペンダントをかけ、私はとりあえず満足する。


2回、命に関わる攻撃を受け止めるこのペンダント。一応……使わないに越したことはないけど……

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