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ⅩⅡ VSヒューム(ゴブリン形態)

体が軽い。視野が広い。


こんなことは初めてだ。

先程謎の紙を拾った途端まるで自分の体ではないかのように調子が良くなった。

だがそれで動かしにくくなるということも無く自然と体に馴染む。


体の周りに6属性、

火、氷、水、風、光、闇の剣を回しながら戦う。


今までもこの技は使ったことはあるが、操作が難しく、狙ったように攻撃することが出来なかった。


だが今はどうだ?前方だけでなく後方の敵に対してもしっかりと認識することが出来、尚且つ標準を合わせて狙うことも出来た。


「この紙は一体?」


原因はやはりこれだろう。

だがこれが何なのかは結局のところ分からない。

絵と何か文字らしきものが書いてあるのはわかるのだが。


だが今はとりあえず目の前の問題だ。

実は森平の姿は目撃することができた。

だが向こうは気付いていないのかまだ必死に逃げている。それを追いかける状態になっている。


そして……


「ッ!この!」


ゴブリン。魔物の中でも下級の相手として認識されている魔物。

だがコイツは特殊だ。

額についた目。これが通常のゴブリンとは違うことを示している。


「ヒューム……強い……」


そう呟いて瞬きをした時にはもう目の前にはいない。


ゴブリンは頭上から手に持つ剣で斬りかかってくる。それを自分の魔法の剣で打ち返す。そうして体制を崩したところを他の剣で追撃しようとするのだが空中の行動が制限される状態で全てを受け止めていく。


速さと技術。このゴブリン型ヒュームの特性はそれだろう。

だが知性が低いのか同じような攻撃、行動しかしてこないため、本当に初見殺しだけの相手とも言える。

だけど


「攻撃できないのはこっちも同じ……か」


魔物にも体力はある。そしてこちらにも。あとはどちらが先に体力が尽きるのかが普通は勝負の鍵になるのだが、ヒナミは魔法での攻撃を専門とし、体を使う行動は苦手な方である。更に何年もポーション作りで引きこもっていたため、体力は少ない方だと言える。


更に、今、森平が魔物に襲われている状態なのである。時間が無い。無さすぎる。


「……しばらくは休業かな」


後が大変でも命には変えられない。色々生活が苦しくなるけど……


「本気を出す……」




ーーータロット:戦車ー逆位置ー好戦的感情を上昇ーーー


ーーー逆位置条件を達成。修正···完了。はつど……

ERROR。修正に失敗。効果発動を中断···失敗。

無条件での能力使用···”代理人”の希望を確認ーーー


ーーー代償、孤独を代理人へ執行···失敗ーーー


ーーー代償、絶望を代理人へ執行···失敗ーーー


ーーー代償、痛みを代理人へ執行···許可ーーー


ーーーこれより、対象、ヒナミの受ける痛みを代理人へ3倍にして移行しますーーー


ーーー戦車。能力発動。攻撃力5倍。速度8倍。痛み2倍。使用後の倦怠感4倍ーーー


ーーー使用後の痛み2倍、倦怠感4倍を代理人へ移行ーーー



「……?紙が光って?」


なにが起きた?分からないが何だか力が湧いてくる感じがする……


ゴブリンが来る……私はそう身構えたが何故だかゴブリンの動きが遅い。目で追える?


とりあえず速度重視の魔法……


「ファイアーバード」


そう唱えた途端森が燃えた。


「……え?」


火力がおかしい。何コレ……制御が……とりあえず消さなくては。


「アイスゲート」


森が凍る。もう訳が分からない……


だがそれで唖然としていたのがいけなかったのだろう。

左腕に鈍い痛みを感じ見てみると、ゴブリンが私を蹴っていた。

それにより私はぶっ飛ばされ木々にぶつかっていく。


「……ッッ!!カバーブースト!!」


風魔法、ただ強力な風を放射するだけなのに中級の実力が必要な魔法を発動し、少しづつ速度を緩める。だがそれについて来ていたのかゴブリンが追撃の蹴りを行ってくる。


剣はどうしたのかと腕を見てみると凍っていた。恐らくさっきの私の魔法が原因だろう。


とりあえず蹴りを魔法剣で受け止め、はじき返す。


「は?」


弾き返そうと少し剣を動かしただけなのに相手の腕が弾け飛んだ。


これは……強いがなれない限りは逆に危険だな……

というか森平を見失った。ずっと離れているのも危険か……


「探知」


よかった、まだ離れてはいないらしい。

とりあえず追いついて……ッ!


背中に強い衝撃を受けた。すぐにヒールを行い相手に振り向く。


先程腕を吹き飛ばしたゴブリン。

だがその見た目が変わっている?


「ヒュームの特性……本性を表してきたか……」


厄介だな……


森平に近づきすぎないように接近しながらこいつと戦うか……行けるか?

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