0 いつもの日常
新作開始!!実はこれ、自分にしては珍しい作品の考え方をしているため、いくらかはストーリーが簡単に考えつくかも!!
「はぁ……たまにはお前らも飯作れよ……」
そう言いつつも今料理を運ぶ青年がいる。
皿に乗ってるのはステーキ。
少し赤みのある分厚めのステーキだ。
「ヤダ」
「無理」
それに返答するのは2人の一言。それ以上は何も言わず、目の前の肉に手をつける。
「やっぱり美味しい」
「うん」
やはり一言で会話は終わり、それ以降は黙々と食べ続けている。
だが、そのフォークの進むスピードから、ほんとに美味しいのは分かるだろう。
「あ、そういえばもうそろそろ薬草無くなる。後でお願い」
「あー?あぁ、分かった。とりあえず10日分でいいか?」
「大丈夫」
皿の上にはもう何も無い。もう見なれた光景だ。
仕方なしに予想して用意しておいたお代わりを無言で皿にのせ、また置く。そして食べ始める。
「あと、そろそろ調合の材料が無くなる。買いに行くよ」
その一言で青年の顔が僅かだが歪む。
「マジか……留守番は……「ダメ」デスよねー」
前ほどではないがそれでも外に出ることへは抵抗がある。
それは純粋に外に出るのが嫌な訳では無い。むしろ出たいとは思っている。だが……
どうしてもその1歩が震えてしまうのだ。
出てしまえばある程度は問題ない。その1歩が問題なのだ。
「大丈夫、私も行く」
そう言うのは先程ステーキに無言でかぶりついていた1人。少しだけ少年にも見えるが、これでも少女である。
だが、その着ているパーカーとつばのある帽子でより少年のように見える。
「とりあえず出てくれないと困る」
そう言うのは先程錬金の話をした少女。こちらは幾ばくか伸びた髪を1つに縛った少女で、先程の少女と同じく多くは語らない。
「何かあれば私たちが守る。だから心配いらない」
本来、自分よりも背丈の小さな少女にそんなことを言われれば、恥ずかしさもあるだろう。
だがこの2人の少女は強い。
そして青年はなんの力もない。
だから
「……んんんんんぁぁぁあああああ!!!!!!分かった分かった!行けばいいんだろぉ!?」
叫びで答えたのだった。