眠り姫病の話
実在する病気ではありません、
私の世界では存在するのですがね。
『眠り姫病』という病気を聞いたことがありますか?
その名の通り、おとぎ話に出てくる『眠り姫』のように永遠に、年も取らず、眠り続ける少女の病...
身体中を薔薇の模様のような痣が覆い尽くし、2度と目覚める事は無いといわれています。この病気自体、都市伝説レベルに稀で、治療法がないのです。
発症が分かれば、本人とその家族は、静かに、待つことしか出来ないのでした...。
永遠の眠りにつくその時を...。
死とも捉えられるほどの別れを...。
今にも目を覚ましそうなものを100年、200年とずっと閉じたままなのです。
目を、ずっと閉じているのです。
こんな人たちはどうなるのでしょう?
ずっと眠ったままなのでしょうか?
大抵、この病気に罹った人は、誰からも忘れられて
風に吹かれて塵となるか、
岩に押しつぶされてぺしゃんこになるか、
あるいは
もう目覚めるのをを諦めてしまって、待っていることに疲れた人々が燃やしてしまうのでした。
待っている人々も辛いのです。
(そんなの、本人からしたらとんでもないという話ですよね。)
人の寿命には限りがあります。
どれだけその人を大切に想っていても、自分よりも長く生きられては、目覚める時を待てないものですし。
それに、限りある命をうら若き乙女に捧げる事は難しいものなのです。
そんなことで、眠り姫病の人々は、半分
待っている人たちに殺されるようなものなのでした。
いつまでも、目覚めないというのは、そういうことなのです。
ですがそれは人間なら、の話。
それが永遠を生きる神に近い存在であれば?
薄れることのない愛情がそこにあれば?
それを忘れることが無かったら?
人に恐れられ、怖がられ、嫌われて。
力の象徴である角を折られ、それでも人を愛した『鬼』が、一人の少女の為に、
自分を愛してくれて、自分に愛することを教えてくれた少女の為に、悠久の時を過ごすのは
また、別の話。
今、この病気にかかって苦しんでいる女の子の話を考えています。
モチベーションが上がれば書きたいですね、