ひょっとこお面とはなんぞや
「メアリー見てくれ!この仮面は素晴らしいだろう!」
ジオ様は仮面舞踏会用の仮面を私の為に作ると張り切ってはいましたが、とにかく奇妙な仮面だわ。目や口があり、よくわからない表情のもの…
ちょうどジャスミン様タイガー様レイン様ライラ様達が来て、
「え、何それ」という顔をされていた。
「あのさージオ様!それ仮面じゃない!何それ!
ひょっとこのお面じゃん!!日本ならまだしもダッサ!意味わからない!」
「ジオ様、貴方の頭は大丈夫ですか?未来の王としての素質が伺われます。そんな事より以前頼まれた書類がまだ山のようにありますが何故ですか?阿保ですか?早くしてください」
逆ギレをして積極をするジャスミン様と積極をするクロにジオ様は何を根拠に自信たっぷりな顔で
「お前らは芸術をわかってないわ!仮面といったらこれなんだよなあ」
「だからそれは、ひょっとこのお面、仮面でない。ほら!昔日本ではさ、オペラ座の怪人とかミュージカルであるじゃない?あーゆ仮面よ!お洒落な!わかる!?わかりますよね!メアリーさま!」
いえ、ジャスミン様の所々出てくる単語が意味がわかりませんわね…。
私はペンを持ち、紙にスラスラと仮面のデザインをしてみた。
「ジオ様、私はこんな仮面が宜しいかと、ジオ様も王子としての威厳があるこのようなデザインがお似合いだと思います」
ニッコリ微笑んでそう話すと、ジオ様は
「俺も最初からそう思っていたところだ。よし、ではこれを作ろう!」
後ろでは「嘘つけぃっ!」とジャスミン様達のツッコミがありましたがジオ様は職人に頼んでいくとクロ様もついていき走り去っていきました。
私がジオ様が被っていた、ひょっとこ、とやらの変なお顔の仮面を手にして被ってみようかと一瞬ためらったがやめてジャスミン様達とお茶会を始めた。
ジオとクロは城の廊下を歩いて、メアリーが描いた仮面のデザインを手にもちながら話をしていた。
ジオはメアリーが描いたデザインを見ながらニコニコしていた。
「ジオ様、メアリー様がいたのでご報告ができませんでしたが、メアリー様を亡き者にしようとする輩がいます。反王族派の者ですが…裏にはあの馬鹿女が糸を引いてるようですね」
ピタっと足が止まり、ジオは黙って少し考えながら
クスと笑い、クロの方を振り向きながら黒い笑顔で
「…言わなくてもわかるよな?
メアリーに気づかず、ジャスミンにもだ。
ジャスミンは、あいつは変に感がいいからな…
…1人残さず逃げられないよう処理するように」
そんな黒い笑顔のジオにクロは
こちらが元々貴方らしいんですがね…まったく、と少し呟きながら
「…御意」
そう言い放ち二人は足早に職人のほうへ向かった。




