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仮面舞踏会への不安

いつものお茶会にいつものメンバーが集まる中


「今年の秋、仮面舞踏会が開かれる事になった」


ため息をつき暗い表情で行きたくないと顔に出てるジオ様。


「ん?仮面舞踏会・・・?」


私の隣に座って紅茶を飲みながら考えている隣国の姫でありジオ様と同じように前世の記憶があるとかないとか、少し変わっている、いやかなり変わっているお姫様。歳は違えど、最近は姉妹のように仲良くさせてもらっているジャスミン様は難しい顔をしていました。


「え。仮面舞踏会のイベントはジオ様ルートに入った事なの?いや、でも好感度もなにもないし、強制力か何か?あの女がいるせい?」


ブツブツと独り言を言っているのでそれを無視するのが一番よね。



「仮面舞踏会は他国の方は勿論、貴族同士の交流を深めること、身分も関係なく楽しめるようにという我が王の主催するイベントですからね。」


紅茶とスコーンを持ってきてくれた執事のクロが説明をして、ジオ様以外皆んな楽しみにしていた。突然ジャスミン様は

「やっぱこれジオ様ルートだよ!お兄っ!・・でなくてジオ様!」


ジオ様は眉間にしわ寄せながら何やら考えていた。

二人共、他人なのに、なんとゆうか、同じ格好で考え事をしているわね。周りの皆んなはもう慣れたのか、二人を無視して、仮面舞踏会の話で盛り上がっていた。

タイガー様だけは何故かジャスミン様に振り回されてるようです。


仮面舞踏会・・・たしかに楽しみね。

新しいドレスを新調しようかしら、と考えていたら

「メアリーのドレスは俺が送るよっ!あとさ仮面舞踏会のエスコートもさせて欲しいな」


「え?でも・・」


いいのかしら、、男性が女性にドレスを贈るって私達婚約者でもないのに。

でも、嬉しい気持ちが大きいわね。


「わかりました。楽しみにしていますわ」

ニッコリ微笑んでいたらジオ様は嬉しそうに微笑み返してくれた。


周りの皆んなはニヤニヤと暖かい目でみていようが嬉しいものは嬉しいですわ。


ジャスミン様はまだ独り言を言っているようで、クロがジャスミン様に何か語りかけたらジャスミン様は顔を赤くして、

「イケメンボイス!うぁああ!その甘い声は録音したい!」


と騒いでいました。クロは最近ジャスミン様をからかって楽しんでいますわね。隣にいるタイガー様はクロを睨んでいますが。


「ジオ様はやはりパーティーなどはいまだに苦手のようですが、大丈夫ですか?」


昔からパーティーなどは苦手だとジオ様は言っていました。周りには完璧な王子として振舞っていましたが、いつも疲れた顔で引きつった笑顔ばかりだったし、私は楽しみだけど少し心配なのもある。


「ま、この国の王子様ですからね」


柔らかい笑顔を見て私は顔が赤くなった。

今の私の顔見られたら、気持ちがバレてしまう。いや、バレてはいいし早く伝えなければならないのだろうけど、、、でもなんだか恥ずかしいわ。


「わっ!私教室で忘れ物がありましたわ!それではご機嫌!」


「え?メアリー?!」


ジオ様に呼ばれても振り向きもせず私は早歩きをしながらその場を離れた。


意味もなく教室へ向かうと、ローズさんがぽつんと一人で机に座っていた。私の存在に気付いたローズさん。


「・・・なに?私になんか用なわけ?」


可愛らしい振る舞いもしないローズさん。ぶっきらぼうで口数が少なくなった彼女。


そうね、なんだか、今の彼女のほうが彼女らしく感じるのは気のせいかかしら・・いえ、なんだか褒めれることでないから失礼よね。


「・・特に何もありませんわ」


この場をすぐ去ろうとしたら


「あんたは愛されてないから。ジオ様は私の青春の全てだった。それにジオ様は絶対私を必要とするはずよ?ふふ、、、仮面舞踏会、、楽しみだわ。ねえメアリー様?」


目が笑っていなかったローズさんは私にそう告げて教室をでた。


なんだか楽しみだった仮面舞踏会が少し不安がよぎった。






















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