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悪役令嬢豆腐を食す

日差しが暑い夏ももう少しで終わる。

夏休みも終わり、いつもどおり部活へ向かうと


「あの、メアリー様、、」


声がする方へ後ろを振り向くと茶色の髪にそばかす顔の男子生徒が私に声をかけてきた。


誰かしら?


「貴方どなたかしら?初めて、、かしら?」


その男子生徒は緊張しながら自己紹介をしてきた。

「は、はじめましてメアリー様!あの、僕はトムといいます!平民生まれで、実家はトマトを栽培したりしてます!」


「そう、改めてクリスティーナ・メアリーですわ。私になんの用かしら?」


「僕、、その、、ローズの幼なじみなんです…。


ローズ。あぁ、あの残念なローズさんね。



「あぁ、なんですか?また貴方も私が彼女をいじめていると注意でもしてきたのですか?」


「違います!ただ、最近のローズが暴走しはじまってて・・いや昔か妄想癖はありました。でも!他人を平気で傷つけるような子でなかったんですっ!

ただいつもメアリー様にご迷惑をかけてしまってるので本当に申し訳ありませんでした」


トムさんは私に何回も頭を下げていました。何故貴方が頭を下げているのかわからないわ。


「貴方が頭を下げるべきではありませんわ。トムさんはローズさんを慕っていらっしゃるのね」


笑顔を向けるとトムさんは顔が赤くなった。



「ちょっとトム!!あんた何してんのよ!」


ローズさんだわ。



ローズさんは私の存在に気づき睨みながら

「トムと何話してるわけ?なんかしたわけ?ゲームではモブ中のモブのトムだけどコイツはあんたとは関係ないからね!」


「ローズ、そんな事を言ってはダメだよ。メアリー様は何もしてないよ」


トムさんがローズさんのそばへ近づこうとしたらローズさんはトムさんの手を払いのけながら

「あんたまで悪役令嬢の味方なのね!」


そう言い放ち去っていった。


トムさんはもう一度ぺこりと頭を下げてローズさんを追っていった。



「なんだか最近のヒロインおかしいのよね。ブツブツ一人事が多いし、周りにいた取り巻き達もヒステリックなヒロインにお手上げで今ぼっち状態なんだよねー」


紅茶を飲みながら最近のローズさんの事を話始めたジャスミン様。


たしかに最近ローズさんの周りには人がいない。以前は取り巻きの男子生徒がいたのに。


「メアリー!みてくれ!豆腐を作ってみたぞ!」


キラキラした目で私にトウフを食べて食べてとジオ様は見つめてくる。


「お兄、でなくてジオ様。今豆腐とかいらないから!ヒロインの話を今してんのよ!てかあんたが関わってるんだからね!少しは協力しなさいよ!」


「クロの手作り黒ゴマ豆腐もあるぞ。ほれ」



「食べるわ」



この白くてプリンみたいなもの。

味はないけれど、なんだか触感が素敵だわ。サラダと一緒にあえたら更に美味しくいただきました。



さて、一度ローズさんと改めてお話をしなければなりませんわね。



「あの、ジオ様」


「ん?何メアリー?」


「この白いトウフ、おかわりありますか?」










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