私のライバルはクロなのでしょうか
「夏だ!」
「夏よ!」
キラキラした笑顔でテンション高くなっているジオ様とジャスミン様。最近この二人は似ているなあと感じます。見た目は違うのに根本的な部分というのが、、、あ、またタイガー様羨ましそうにしているわ。
「夏休みに入り、遊びたいお気持ちはわかりますが昨日学園か出された宿題お忘れですか?」
昨日から学園は1ヶ月夏休みです。
学園の宿題の量は沢山あるのに、なぜ二人は遊ぶことしか考えてないのでしょうか。
ジャスミン様は忘れてたようで
「だ、だいじょ!私最終日に終わらせるタイプだから!」
ドヤ顔で私に言いますが、それ一番駄目なタイプですよね。絶対あとで泣きますよね。。
「俺は終わらせたぞ」
ケロッとジオ様は笑顔で答えました。
なんですって?
「え、、、ジオ様あの宿題の量を一日で終わらせたのですか?」
そばにいたタイガー様やレイン様ライラ様はまだ宿題に手をつけてないと言ってたのに、この方は一日中で、、、遊びたいから早く宿題を終わらせてしまったようです。
「ジオ様。貴方はやはり天才な方ですね、とても感心いたします。学園の宿題を終わらせた事はとても素晴らしいです。その調子で今まで王子としての仕事の量が溜まっていたのでまずはこちらの書類に目を通していただけると助かります。すこし前まで、記憶のなかった完璧な貴方がやってくれてはいましたが記憶が戻った後またサボってましたので、必ずみてください。この山のような資料。
遊ぶのもいいですが、いいかげんやる事はやってから」
「あぁ!クロ!わかったよ!そんなネチネチいうなよ!
くそっ、こんなに量があったのか、、遊べないじゃん」
ブツブツ文句を言っているジオ様。
いつものジオ様だと私は何故か安心しております。
ただ、そうね、、この前の事でジオ様の気持ちを知ってしまった私。
ジオ様は執事のクロを好いていると。聞き流したけどやはり気になってしまった。
あんなにも昔からクロを好きなのだと、、、
クロとジオ様を交互に見ているとジャスミン様は首を傾げながら、「メアリー様どうしたの?」と小さな声で聞いてきました。
少し離れた場所でジャスミン様と一緒にジオ様とクロのやりとりを見ながら話た。
ジャスミン様はクロを見て頰を赤く染めています。
「私今更だけど気付いたの。。」
「え!まさかお兄、ではなくてジオ様の事!?」
「えぇ、ジオ様は、、クロをずっと慕ってたようだわ。。」
「はい?」
凍りついた顔をするジャスミン様。わかっています。男同士ですからね、気持ち悪いと感じたのかもしれません。
「自分が、、不甲斐なくて。一番お2人の側で見ていた私でしたが気がつかなかったわ」
そうジャスミン様に告げると
「うん、同人ではあの2人カップリングされてたけどーって!ちがう!メアリー様!
あ、あのさ?メアリー様はその、ジオ様が好きな人
がいるとしたらもう今までみたく会えないのわかる?
目の前でイチャイチャされたらヤキモチ妬かないかな?」
最初の言葉はよく分からないけど、ジャスミン様の問いに少し迷った。
そう、記憶がなかったジオ様とローズさんの距離が近かったのはとても嫌な気持ちだったわ。それとローズさんのように甘えた事が出来ないから羨ましくも思えた。
ジオ様はクロを慕っているとわかり、例え禁じられた想いでクロが羨ましいわ、、、。
いつもそばにいたジオ様だった
お馬鹿な事をするジオ様でもどこかで心安まる
私の居場所だった
まさか、、私、、、、
カアァッと顔が熱くなる
「どうしましょう、、ジャスミン様。。
私、、ジオ様が好きなようです」
気付き始めた自覚。
急に動悸がなりはじめる。
好きって、ことよね。。
あぁどうしましょう、、
「私のライバルはクロなんですね、紅茶の淹れ方をマスターしたほうがいいのかしら」
「え、なんでそうなるの?なんか、面白いからいーけどさ」
ジオ様は私達の元へ来て
「とりあえずさ!来週あたりみんなと海いこう!前から約束してたしさ」
何故かしら、キラキラ感が眩しく感じますし、あまり近いと動悸がなりはじめる。ジオ様から目を逸らしそばにいたクロに私は
「クロ、私なりに考え行動します。お互い頑張りましょう」
頰を赤らめながら、キッと睨みながらクロに告げ私はこの場を去りました。
後ろでジャスミン様の笑い声とジオ様が
「なんでメアリーがクロを見て顔を赤くしながら涙ぐんでるんだ!?」とかなんとか騒ぎ、クロは意味がわからないと首を傾げていた。
まずはお茶の淹れ方を学ばねばなりませんね。




