薔薇イベントに参加のようです
「ジオ様ぁ!今日放課後、学園の庭園へ行きませんか?イベント…でなくて、薔薇が沢山咲いてきて綺麗なので一緒に見たいなあと」
「ローズ嬢。わかった放課後だね。ではまた」
「きゃっ嬉しいぃ」
一体なんでしょうか、この光景は。
ジオ様とローズさんは昨日おはなしをしてから急激に親しくしております。クロからのお話ですとローズさんはジオ様に自分達は恋人だったと証言をし、ジオ様は戸惑いながらも彼女を知ろうとしているらしいです。
教室内で甘い空気を出しています。
クラスの皆さんは私の顔を見て伺っています。
一度他の令嬢が注意するとローズさんは泣き出して、ローズさんの取り巻き男子学生が守っているとのこと。
その令嬢たちの中には自分の婚約者がローズさんに夢中なので、泣いていましたわ。。。
「ローズさん、婚約者がいる方とはあまり親密になるようなことはしては周りにも示しがつきませんわ。彼女を思うのならば、彼女の婚約者とあまり二人っきりでいるのは宜しくないわ。」
私はローズさんに注意をすると彼女は勝ち誇った顔をしながら
「ふふ、でもジオ様は婚約者いませんよねえ?本来とはちょっとだけ違うけどようやく私のターンがきたんだものね!てか、メアリー様には関係ないですよね!?」
私の後ろに何故かジャスミン様がいて
「ちょっと!いいかげん目を覚ましなよ!ぶりっ子!
これはゲームでもないの!性格わるすぎ!あんた絶対前世では友達いなかったでしょ!」
いや、まず何故ジャスミン様がこの高等部にいるのかしら。中等部の生徒では、、、放課後は授業終わってからよくお会いしてるのに何故ここに。
「私今日は高等部編入してきたんだよね!この頭はすっごいいいみたい!前世ではいつも赤点ギリギリなのに天才だわ、私」
中身は残念ですがね。
ローズさんのほうへ振り向くとローズさんは
ポロポロ泣いていました。
「ひどぉい、、そんな、私はただあ、ジオ様と仲良くしたいだけなのにぃ」
ローズさんの取り巻き男子学生は
「あぁ、愛しいローズ嬢可哀相に!メアリー様いいすぎです!」
「いや、君達は一体どうしたんだ?まず君達より位が高い令嬢のメアリー嬢にそんないいかたはよくないな」
「ここの学園はたしかに平民も貴族も平等だ。だが、我々貴族は貴族同士の誇りと威厳も忘れられては困る。貴族の見本である君達が乱れているのがわからないのか?」
など、男子クラスメイトが助けてくれました。
他の令嬢や平民出身の子も援護をしてくれました。
平民出身の子は
「貴女のせいで私達平民が全員こんなふうだと思われたくないわ!」
ローズさんはポロポロ泣いてますが、口元がニヤニヤしてます。
ジャスミン様は今にでもローズさんを殴ろうとしています。困ったわね。。
ガラッ
「おや、皆んなどうしたんだい?こんな騒ぎを起こして」
ジオ様です。何やらタイガー様がジオ様とクロを呼びに行っていたようです。
ジオ様は
「話は聞いたよ」
うるうるした目でジオ様にすがりつくローズさん。
「うん、放課後皆んなで薔薇を見に行こう」
え?
クラス全員目が点でした。クロは横で冷めた顔しながら
ため息をついていました。
「え、、いや、ジオ様?これは私とジオさまのイベント、、、」
「はーい!はいはいはい!私行きます!これは薔薇イベントの、、でないや!えと、薔薇見にいきたいです!ね!皆んな!」
直ぐに手を挙げたジャスミン様。イベントイベントってローズさんもジャスミン様も何を言ってるのかしら。
さて、放課後何故かクラス全員で薔薇を見ながらお茶会です。ジャスミン様も特待生としてきたわけですし、ジャスミン様歓迎会でも、とゆうことになりました。
ジャスミン様はローズさんに
「薔薇イベントでなくて、ジャスミン様歓迎会なったわね!おほほほほ!」と悪顔をしていました。
ローズさんは悔しそうにしながらもジオ様のところへ行き、お話をされていました。
クラスの皆さんも先程までピリピリした雰囲気を出すわけでもなく楽しい薔薇園でのお茶会が始まりました。
フと目が合ったジオ様。
ジオ様は私のところへ寄り
「あの、、なんでしょうか?ローズさんはいいのですか?」
「ローズ嬢は今別の人と話をしているよ」
ジャスミン様とだわ。二人はなにやら、イヤミったらしいお話をしているようです。
ジオ様の方へ元に顔を戻すと良い香りがしてきました。
「何故かわからないが、、君にこれを渡したくて」
薔薇の花束だ。
「まあ!メアリー様ジオ殿下から薔薇の花束を貰ってますわ」
一人のクラスの子が騒ぎだすと、クラスは何故か
やはりメアリー様なんだな、とか、良かったですわねと温かい目を向けられています。
居心地が悪い、、、
「薔薇は嫌いかい?」
ジオ様は首を傾げて私を見つめてきます、、
どうしましょう。何故か顔が見れません、、
「メアリー嬢、君は本当に薔薇より美しい人だね」
クスクス笑うジオ様に私は顔が熱くなる。
これはジオ様でないわ!これはジオ様でないわ!これはジオ様でないわ!
そう心の中で叫んでいたら突然ローズさんは
「その薔薇の花束!そのことば!!!これは私のものだったのに!またあんた私の邪魔をして悪役令嬢のくせに!」
そう言って何処かへ行きました。
ジオ様は「彼女に謝ってたほうがよいかな?やはり恋人とは思えないと」
え?
「私には射止めたい薔薇のように美しい君がいるとね」
ジオ様、?え?私ですか?へ?え?
どうしましょう、動悸が止まらないわ、、、!
そうジオ様は彼女を追いかけようとしていた時、
ツルっ!!
ドテン!!!
何故か足元にバナナな皮があり盛大にコケてしまいました。
何故、、、バナナの皮が、、、
「バナナの皮は私だ、もぐもぐ、すまん」
「タイガーさま、、、」
何故お茶会でバナナを食べてるのですか、と突っ込みたいところですが、倒れたジオ様の元へ行き、彼にひざまくをしながら呼び続けた。目を覚まさないジオ様。
「ジオ様!ジオ様!あぁ、どうしましょう、!だれか、医者をっっ!」
クロもかけよりジオ様のもとへ
「ジオ様!」
「ん、、、ここは、、?」
ジオ様が少し意識を取り戻しました。
「あぁそうか、、俺は、、ずっと、、」
ジオ様はそばにいたクロの手を握り、
「ずっと、、おまえが好きだったんだ、、」
見つめ合う男と男。
「ジオ様、、、私はクロですよ、、、」
「、、、、もう一度気絶していーか?」
隣で二人のわけのわからないやり取りを見守りながら何はともあれ、ジオ様は残念な王子へ元通りになりました。
そのあとジオ様は色々と謝ってきましたが、
「そうですね、、、でもあの時のジオ様に少し惹かれてしまいましたわ」
ジオ様にそう伝えると
「何故もっと!せめなかった!おれ!」と騒いでました。
「でも普段のジオ様が一番良いかとおもいますわ、って聞いてませんわね。」
ジオ様は私の話を聞いておらず、タイガー様やジャスミン様に何やら話を聞いておりました。ジャスミン様はジオ様に色々と叱っていました。
私の隣にいたクロは
「はぁ、、またチャンスを逃しましたね、我が主は。。」
チャンスとか何かあったのでしょうか?
薔薇の花束の香りがとても良いわね、そうね、このいただいた薔薇は私の部屋に飾っておきましょうか。




