胸がチクチク、ムカムカ、でした
剣術部へ入って数ヶ月、もう少しで他校の方と交流戦が始まります。男子生徒ばかりだった剣術部も女子生徒も少しずつ増えてきて、今では賑やかで皆さん楽しく学んでおります。交流戦まで、あとわずか、頑張らなくてはいけないけれど、初めて大勢の前でやるのはやはり恥ずかしいかしら、、、そう考えていたとき
ローズさんが現れました。
「あのさ!まず、メアリーは剣術部とか野蛮だと入らないんだけど!」
「入っていますが、、」
「貴女は私を虐めてる役なわけ!わかる?!貴女が虐めてくれないと私の可愛いくて可憐なところが見せられないでしょ!」
誰に見せるのでしょうか。
「ローズさん、貴女が言っていることはよくわかりませんが、あまり大きな声を出すのはどうかと、、、」
「ッ!なによ!その余裕な顔!ムカつく!!
ジオ様が好きでないなら近づかないでよ!貴女みたいな冷静で冷たーい感じの女はジオ様とは似合わないんだから!」
ローズさんに色々言われて、とりあえず気の済むまで聞くことにしましょうか。。後が面倒な方ですし。
「おい、何メアリーに因縁つけてるんだ」
何やら、あまり聞いた事のないドス黒い声の方、、、
「ジオ様」
ジオ様はローズさんを睨んでいます。
「いいかげんにしてくれないか、わけわからないことを押し付けてメアリーが困っている。」
え、それ貴方が言うことですか?人の事言えませんよね?と残念な視線を送っていると。
ジオ様は急に顔が赤くなりながら
「や、あの、あまり、見ないで。最近情緒不安定なの。」
意味がわからないのはジオ様も一緒です。
後ろに付いているクロはローズさんを冷たい目で見てます。
「なんで、、ジオ様は、いつも一緒に、、、クロ様もそばに、、皆んなそばにいたもの」
ぷるぷる震えながら、何故か私を睨んでいるローズさん。
「絶対許せないんだからあ!」
そう捨て台詞を吐いて、何処かへ行くローズさんでした。
「メアリー大丈夫か?」
私の頰をピタと触り心配そうな顔を近づけてきます。
少しだけ頰が熱くなります。
「ジオ様、、やはり背が高くなりましたわね。。」
「え!?今更?いや、中学くらいでもう背は追い越したじゃん!」
「知ってます、、知ってますが、背も高くなり、これからどんどんこの国の王として成長されるのでしょうね」
残念な王子ですが、今はこうして友人として共に過ごす事がありますがいつかこの方は国を背負っていき、それを支えてくれる良き伴侶となる方も見つけるのでしょうね、、、、でもジオ様の相手するかたは物好きな方にかもしれませんわね、、、
でも、なんだか、胸がチクチク、ムカムカします。
昨日アップルパイ食べ過ぎたせいかしら?
「、、、君が、、メアリーがいるからだよ。だから頑張れるんだ」
え、それはどういうことなのでしょうか。
ジッと私達はお互い見つめ合っていました。
「えと、あのさ!もう少しで夏休みになるから、その時海に行かないか?!」
急にジオ様は焦りながら話しだし、
クロは「ヘタレ」とボソと呟いてました。
海は好きです。でしたら、新しい水着買ったほうがよいかしら、
「えぇ、海は好きです。行きましょう」
ニッコリ微笑むメアリーにジオは悶えていた。
「いーね!海!私も行く!」
ジャスミン様だわ。
「ジャスミンも行くなら、私も行くぞ!」
シスコ・・ではなくタイガー様もだわ。
「海いいですねえ〜俺らも行きたいね」
「海の生物調査などしたいもんだしな」
ライラ様とレイラ様も来てくれるそうです。
「私はジオ様専属執事ですから、仕方ありませんね」
ニッコリと笑っている皆さん。そんなに海がお好きなのですね。
「賑やかで楽しみですね。ジオ様」
「なんで、皆んなついてくんだよ・・」
肩を落としながら教室へ向かうジオ様でした。




