悪役令嬢とお姫様と王子様は誰ですか
さて日差しが暑い夏です。もう少しで学園は夏休み、私はお祖父様の領地へ遊びに行こうかしらと考えていた時
知らない男子と女子生徒達に囲まれました。
「メアリー様!お願いがあります!」
何事かと思えば彼らは学園の演劇部で本日の主人公の人が怪我をしてしまい代わりに出てきて欲しいとお願いをされました。
「私達来年には卒業で、、、今年しかないんだ。メアリー嬢頼めれるかい?」
この演劇部の部長のサライア様は深々と頭を下げてきましたが何故私なのでしょうか、、、
「最初は、その、、ローズさんにお願いしようかと思ってた矢先、彼女が率先しとして演劇部で練習したものの、台詞が多い、覚えれない、と逆キレされてしまってね」
苦笑いをするサライア様。
なるほど。。
「へぇーメアリーはお姫様役なのかい?面白そうだねえ」
突然ジオ様が現れました。
「ハッ!ジオ様!ジオ様もお願いします!二人共凄いいい感じになりそうです!」
突然サライア様はピンときて、きたきたきたきた!と人が変わったように興奮し始めました。
一緒にいた演劇部はまた始まったか、と呆れモードです。
美しい白く青いグラデーションがかかってるドレスを着ている金髪の美女。ジオ様です。
「・・・何故俺が、、、姫役」
側にいるクロは笑いを堪えており、タイガー様は大笑いしていました。
そして私はというと、王子役です。
イメージがピッタリらしいです。ふふ、たまにはこんな格好を楽しむのもありかもね。
「い、嫌だっ!私は断る!」
お姫様姿のジオ様は私の手を握り、、、
逃げました。演劇部の人に追われて、そして、何故かローズさんも追いかけてきて
「なんでっ!このイベントにジオ様と悪役令嬢がいるのよお!?!」
と、騒いでいました。
裏庭の人気の少ない茂みに隠れているジオ様と私。
ジオ様を見ると
「ハッ!今少し思い出したけど、この展開クロのイベントかも!妹が一番好きだったやつだわ!」
?何を言っているかわかりませんが、美女ですね。女装をしているとはいえ、綺麗に仕上がっています。
ジッと見ているとジオ様は視線に気がつき
「?メアリー?どうした?」
「ふふ、いえ、ジオ様が女性でしたら、そのような感じかなと思いまして、、むしろ王妃様に似ているかもしれませんね。女性でしたら、男性にモテていますよ」
クスクス笑っている私にジオ様は
「メアリー俺は男だ。野郎にモテてても嬉しくない」
「女性にもモテていますわ。」
「俺は好きな女だけしか、側にいたいとしか思わないよ」
私をじっと見つめてくるジオ様。
ドキッとしました。いや、何、、、動悸が、、、
何も言わず私達はただ見つめ合っています。
「メアリー、、、俺は・・」
ガサガサ
「二人共ここにおられましたか。演劇部のレッスンへ行きますよ。」
黒髪ロングで妖艶の美女が現れました。
クロです。
「以前サダコ?役をしていたら、部長のサライア様に悪役令嬢役をして欲しいとお願いをされまして」
「・・・腹黒のおまえにピッタリだな。」
ジオ様がそう呟やくと、クロ様は
「私が貴方を虐める悪役令嬢役です、心苦しいですが頑張りましょう。」
黒い笑みをだしながら、ジオ様を無理矢理連れ出して行くクロについていきました。
あれから、ジオ様は以前より増して男性生徒からも人気が出て、私も何故か女生徒達に
「メアリーお姉様」と上級生の方にもそう呼ばれるようになりました。
とにかく、演劇をしていた悪役令嬢役のクロは
立派な悪役を演じていて素晴らしかったわ。




