ヒロインの嫉妬
この世界はおかしい。
私中心のはずの世界、イケメン達に甘い言葉を囁かれ優しくされて、お姫様のように扱ってくれる世界なのに
彼らは私に振り向いてくれない。
おかしいおかしいおかしい!
リセットしてまたやり直したいのにっ!
前世で不登校だった私の支えがこのゲームだった。
ボタンと誤った選択さえしなければ、素敵な画面が見れていた。
もし生まれ変わるなら、主人公の女の子になりたい。
今いる現実は、わかってくれない人達ばかり。
汚い世界だから、私は本当は別な世界に生まれるべきだったといつも思い願っていた。
親も祖父母も兄弟も嫌い嫌い嫌い。
友達だなんて、アイツらなんて、嫌い。
だから、目を覚ました時は嬉しかった。
ようやく私を理解して、優しくしてくれる世界に生まれてきたことに感謝したわ。
なのに、、、一番大好きなジオ様はジオ様でなかった。
私と同じ転生者。
でも、顔はジオ様だし、彼の明るい笑顔には癒されるの。。
私のものになって欲しい、本来そこにいる立ち位置は私のはず。悪役令嬢のくせに、邪魔なメアリー!
絶対絶対許さないんだから、、、
可愛いは正義なの。私はヒロイン、貴女は悪役令嬢。
今日も彼女は優雅に紅茶を飲んでいた。




