キモダメシとはなんですか
「夏がきた!夏といえば海!そして肝試しだ!」
ドヤ顔で何を言いだすかと思えば、、何でしょうか、、、またわけわからない事をやろうとしています。
「生徒会長のマロさんにお願いしてみようかと思うんだよな」
三年生マクローレイ・テイス様。通称マロ様と見え麗しくお優しい現生徒会長さん。ジオ様が来てから無理難題をおっしゃっても優しく対応してくれています。
ジオ様いわく、ホトケ様だとわけわからない事を言っていますが、神様のように広い心をお持ちという意味のようです。
「メアリーはお化けとか平気か?すっげえ怖くて面白い貞子とか作るわ!」
「・・・、お化けなんて信じておりませんわ」
サダコってなんでしょうか。。
生徒会室へ行きマクローレイ様に何やらジオ様は熱く、いかに夏は肝試しが必要かを語り生徒会長は
「ほどほどにね?」と許してくれました。
それからジオ様達は何やら色々と作り、他の生徒達も加わり大規模なキモダメシとやらが始まりました。勿論、ローズさんもいます。
「ゲームでこんなイベントは無かったけど、ここで好感度アップをあげていくのもヒロインの務めよね!」
と、何やらやる気満々な彼女です。
ジオ様はニコニコしながら明日の夜が楽しみだとはりきっていました。
「クロ、、ジオ様はパーティーはお嫌いなのにこういうことは率先してやりますわね。。」
「私も自分の主人が何を考えているか本当にわかりませんよ。。」
はあと溜息をつく二人だった。
肝試し当日、沢山の生徒達や先生方も集まりました。先生方はお化け役や、監視役だったりします。男女二組ずつ、学園の森の向こうにある小屋まで歩きそこに自分達が来たことを証明する為、名前を紙に記入するとのことでした。
レイン様はカテリーナ様と
ライラ様はユリアン様と行くとのことでした。
「では私達は先に行ってまいりますわ」と
四人は暗闇の中へ。。。
タイガー様は何故かお化け役をしたいの事。
そして何故か執事であるクロもお化け役として参加をしている。
さて、私は誰と一緒に小屋まで行こうかしら、とキョロキョロしていると
ジオ様は、、、周りにいる女生徒達が御一緒に!と囲まれております。
「ジオ様!私と一緒にいきましょう!ねっ!ゆっくり話たいこともあるしぃ。えへへ」
上目遣いでジオ様の腕に絡みながらお願いをしているローズさん。
パチっとジオ様と目が合いました。
笑顔でごゆっくりどうぞと伝えておきました。
なのに何故でしょうか、、その瞬間周りは怖い顔をしながら私を遠ざけてるような・・
今からキモダメシとやらなので怖くなったのでしょうか。ふふ。
私は一人で行く事を決意し、森の中へ入っていきました。
ピタンッ
何か頰に冷たいものが当たりました。
「・・・ッ!?」
ガサガサ!!
「がー!」
包帯をグルグル巻いてる人がいます!
目が一つしかない置物があります、、、
ニャー!と猫娘だあ!と驚かせる子も出てきました。とゆうか、猫娘役、タイガー様でしたわ。
どうしましょう。。。
楽しいです。
大声だして驚かせればいいわけではないのに。でもチラチラと浮いている炎の玉などなかなか手が込んでいます。綺麗で素敵です。
森のあちこちにでは悲鳴が聞こえています。
フと道の真ん中に井戸がありました。
アレは何かしら、と井戸を覗いてみたら
髪の毛が長い白い服を着ている女性が、気持ち悪い動きをしながらこちらに向かってきてます。
「クロ、、、貴方何をしているの‥」
ピタとその髪の長い女は止まり、
「おや、メアリー様だけですよ。この姿で悲鳴もあげず、失神などもしなかった方は。」
クスクス笑いながら説明をしているクロ。
「あれ?ジオ様と御一緒でー、、ないようですね。その顔は」
どんな顔よ??と首を傾げていると
「きゃっ!貞子だ!こわああい!」
ローズさんとジオ様が私に追いついてきたようです。
「あ、ここにも私のこの姿に驚いてない女生徒もいました。」
もう少しメイクを凝るべきだったのだろうかとクロは言ってますが、やはりクロもどこかジオ様と似ているような気もするわ。。。
「メアリー様ひとりぃ?!やだあ!ぼっちだなんて、かわいそーう!」
ピンピンしているローズさん。
「メアリー!やっと追いついた!」
ジオ様はゼエゼエと疲れているようです。
「ローズ嬢!やっと追いついた!僕達が君を守るよ!」
ローズさんの取り巻きさん達。
ローズさんはクロを見つけて今度はクロに接近し始め、クロは死んだふりをしていました。
話かけないで下さい、そう呟いて井戸の中へ。。
ローズさんがクロに絡んでる内にジオ様は私の手を取り
「今のうちに行こう!」そう言い一緒に走った。
ローズさんは何やら叫んでたましたが、あれだけ元気なら大丈夫ですよね。
急にあたりは静かになり、暗闇の道を歩いてる私とジオ様。
「メアリーはお化け、平気だったんだなあ」
「私自分で見たものでしか信じれませんので」
「ははっメアリーらしいね!」
「ふふ、私に怖いものなんてありませー」
と、その時でした。私の目の前に
いました。
いましたよ。
立ち止まるメアリーにジオは首を傾げながら
「メアリー?どうかし」
「きゃあああああああっ!!」
大声で叫び私はジオ様に飛びついてしまいました。
「メアリー?!どうしたの?抱きついてくれる事は嬉しい!嬉しいが俺はっ、こーゆ場所ではなくもっとムードがある」
「・・ぐすっ、、、もっ」
驚きながら私の涙を拭き、
「え?何?本当にどうしたの?」
泣いて混乱している私に優しく抱きしめながら声をかけてくれているジオ様。
「、、、蜘蛛、、、」
「うん、大きな蜘蛛だねー、、って蜘蛛!??え?メアリー蜘蛛駄目だったの?」
コクンと頷く私。
「え、何その可愛い顔。」
蜘蛛が可愛いとか、ジオ様頭大丈夫かしら、、、
蜘蛛、駄目なんです。そうアレだけは気持ち悪くて駄目なんです。
ジオ様は蜘蛛を何処かにやり、もう大丈夫だよと安心しました。
「メアリー?」
「・・・足腰が、たて、、歩けな、グスッ」
情け無いです。剣術を習い強くなっていたつもりが、蜘蛛にやられるなんて、、、、
ジオ様は私の頭を撫でて
そのまま私をお姫様抱っこしながら小屋まで歩くと進みました。
またお姫様抱っこ、、、これ本当に恥ずかしいです。動悸も凄いですし、、私また風邪でも引いたのかしら、、、
ジオ様と私は小屋へ行き、名前を記入した後帰ろうとした時、霧が少しでてきました。
「あれ?道間違えたかなあ?」
霧でよく道が見えず、迷子になった私とジオ様。
困りました。
「あの、ジオ様私もう歩けます、、」
「駄目!メアリーはこのまま」
歩けるのに。。
その時長い髪の女性が向こうの道を指差していました。クロだわ。
「クロじゃん!お前まだそこにいたのかよ。あのピンク頭まいたんだな!」
私達はその道へ進むと、灯が見えてきた。
「あ!メアリー様ご無事でしたのね!まあまあ、ジオ様に抱っこされて良かったですわね」
皆の暖かい視線に耐えきれず、自分から降りるとジオ様は少し残念な顔をしていました。
「ジオ様メアリー様なかなか帰って来なかったので探しに行こうかと思っていたところでしたよ」
執事姿のクロがそこにいた。
私とジオ様はお互いに目を合わせて首を傾げる。
「え、お前さっき帰りの途中いたじゃん、、、道に迷ってたら、教えてくれて一緒に帰ったとこで、、、なあ?メアリー」
「え、えぇ、先程までクロと、、、」
あれは、、誰だったんでしょうか?
ジオ様は貞子だ!と青ざめておりました。
よくわかりませんが、ありがとうサダコ様。




