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ヒーローはいらなかったようです

「なあ、なんかあのピンク頭残念な奴だよな。」


え?今なんと?貴方が言うことですか。


真剣な表情で語るジオ様。


「貴方以上に面倒な方ですね」

紅茶を入れながら適当な返事をするクロ。


「ジオ殿下より周りに迷惑かけてますから」

クールな事をいいつつ、何か対策をしないといけませんねと悩むレイン様。


「男子生徒の半分は宗教並みに彼女に虜で気持ち悪いよねえ。もう一人の残念な人は一人しか見てないから周りも暖かい目で見ているだけなんだけどさ」

笑いながら語ってるライラ様。



「昨日のピンク色をしたレディかい?メアリー嬢を凄く睨んでいたね」

昨日の出来事を思い出しながら、苦笑をするタイガー様。


「ジオ様のいうローズさんがヒロインなのであれば

恋仲になってもよろしいのでは?」


しれっとクロが入れてくれた紅茶を飲みながら我ながらいい案だというとジオ様は私の頰を両手で触りながら見つめてきました。


「それ、本気でいってるの?」


微笑んでいるようですが目が笑っていませんでした。

でもそんなに、見つめられると変な感じになりそうです。

「じょ、冗談ですわ!」


「だよなあー!」

といつものジオ様でニコニコしている。


「つか、メアリーはあまり気にしなくていーからな。あーゆのは無視しろよ。」


「わかっています。馬鹿は一人だけで充分ですからね。私剣術部へ行ってまいりますので失礼します」


メアリーは剣術部へ行くとジオはその場にいた彼らに

「さて君達は私がいない間に何していたの?特にクロ。メアリーのそばにいたのにもかかわらず、どういうこと?」


黒い笑みを出しながら、ピリピリした空気を出すジオに周りの者はあ、ヤバイ、という顔で背筋を伸ばしジオの話を聞く。執事のクロだけは涼しい顔をして反論をする。

「そもそも貴方がもっと早く連絡してくださればよかったのですよ。あのローズという女性は、あの手この手とメアリー様に言いがかりをつけ彼女の評判は半分悪い方へと向かっております。まあ大体悪く言っている方達は頭が悪く出来の悪い子息達ですがね、ですがローズ様は面と向かって言われてもしっかり対応をしていました。無理難題なことや、嫌がらせなどもありましたが文句も言わずに堂々としておりそんなメアリー様を見て先輩方や同級生の方には慕われている事も事実です。

それなのに貴方はメアリー様からの手紙をいただいても

わけわからない愚痴ばかり、手紙の返事をまともに返せなかった貴方が我々を叱ると?きちんと手紙の返事をきちんとしてやる事をやってから言うべきでは?

大体ジオ様は昔からー」


「もーいー!俺が悪かったよ!」


ネチネチした嫌味に耐えられなかったジオ。


「ジオの執事なかなかやるではないか!気にいった!」

笑いながらクロを褒めているタイガーにクロはありがとうございます。と礼を言う。


「とにかくだ、あのピンク頭はまたメアリーに何かするかもしれないし、お前たちにも絡んでくるのは確かだ。気をつけろよ。」


攻略対象者と言われている五人の男達は、そう話をしていた。



「メアリー様」


「カテリーナ様とユリアン様」


お2人に偶然会い昨日の事を謝っていたら、気にしないで下さいと許していただきました。

今から剣術部へ行くところだと説明をすると、お二人とも私の剣を握っている姿を見てみたいとついてくることに。少し恥ずかしいけれど二人共、自分達も習おうかしらと考えてるようです。ジオ様に以前もらった剣を見せて二人は素敵ですね、と

三人と楽しい会話をしていたら


「悪役令嬢メアリー!!まちなさいよ!」


潤んだ目で睨むローズさんでした。


「レディが大声で人の名前を呼ぶなんて、はしたない、、」

冷たい視線を送るカテリーナ様。

「今は貴族も平民も関係はありませんが、貴女メアリー様は貴族の中でもかなりの上位貴族ですよ。しかもジオ様はーもがっ!」

何か言いかけてたユリアン様にカテリーナ様は、駄目よ今は。と何か注意をしていました。


「モブの悪役、、、カテリーナとユリアンっっ

貴女達なんて直ぐに婚約者に飽きられちゃうんだから!

今時、親達に決められた婚約者なんて愛がないもの!」

二人を罵倒するローズさんに腹が立ちますわね。


後ろにいる取り巻きは

「その嫌味はなんだよ、ローズ嬢のように可愛らしく振る舞えないのか?勉強だけしか出来ないカテリーナ嬢とお菓子作りしか脳のないユリアン嬢は彼女を見習うべきだよな」


「婚約者の二人も君達みたいな可愛いげのない女性は嫌に決まってるさ」

クスクス嫌味を言ってくる取り巻きにお二人は、少し涙ぐんでいました。


なんでしょうか、、本当に腹が立ちますね。か弱いレディにそんな事をいうのは男性として最悪ですわ。

ジオ様は馬鹿なことは言いますが決して傷つくような事も言いません。なんともこの方達は愚かな、、、


「大体君達はもう少しローズのようにー」



ビュン!!!



「…え」



取り巻きの一人がペラペラとうるさいので持っていた剣を彼の横にある木にめがけて投げ刺した。


シーンとした雰囲気。木に刺さったままの剣を取り巻きたちは青ざめる。


「ペラペラペラペラ、男性がか弱い女性に対して暴言を吐くとは何事ですか」


ローズは「やだ!こわあい!」

と泣いてその場から走りさり取り巻き達もローズさんを追いかけていった。


カテリーナ様とユリアン様は頰を赤らめながら涙ぐんで

「メアリー様かっこよかったですわ。ありがとうございます」とお礼を言われました。

お二人を慰めなければなりません、剣術部は後にして

私お気に入りの庭園へ行きお茶にしましょうと誘う。






そんな彼女達を遠くから見つめていた男子五人。


「あれ?俺達いらなかったみたいだねえ?」

困った顔をしながら笑うライラと言葉が出てこないレイン。


「あはは!強い女は好きだな。俺は」

先程のやりとりを見ていたタイガーは笑っていた。


「まあこんな感じでしたよ。貴方が不在の時って、

ジオ様?」

とジオに声をかけるクロ。



「ヒーロー登場、、、のはずだったのに」


と落ち込んでるジオとライラとレイン。


クロは女性が強い時代でしょうかね、と言葉をするものの三人には声が届いてなかった。














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