ジオ様のライバルらしいです
「メアリーっ!」
振り向くとジオ様が追ってきました。
私の手首を掴み息を切らしています。
そんなに汗だくなりながら追いかけてこなくても、、、
「何の用ですか?」
「メアリー俺は君の手料理を食べにきたんだ」
ギュッと強く私の手を握って強い眼差しで見つめてくるジオ様。少しだけ体が熱くなってきました、動悸も凄いです、、もしかしたら風邪かしら。
「あの、わかりましたから、、手を離してくださいませ、、、」
パァと明るい笑顔でジオ様は私に嫌だと断った。
「少しだけ、メアリーが作ったキッシュ持ってきたんだ。一緒に食べようぜ」
二切れほど紙に包まれているキッシュをジオ様はもってきた。ジオ様は近くにあるベンチを見つけそこで食べようと移動をする。手を離していただけないかしら、、子供のように無邪気に笑うジオ様は私の作ったキッシュを口に含み、
「うん、美味いよ!」
美味しそうに食べてくれています。頰を膨らませながら食べて姿がなんだかハムスターみたいです。
クスと笑ってたらジオ様は私を見つめてきます。
え、なんでしょう、何も言わず見つめてくるので、、、
「ジオ!こんなとこにいたのか!」
突然知らない男性が現れました。
肌が少し黒く濃い茶色の髪の異国の方。あれ?この方は確か、、タイガー・ラジープ様です。
ついこの前までジオ様が留学していた国の王子様です。
「タイガーっ!?何でお前ここに?」
驚くジオ様。
「今度は俺が留学しようかと思ってな」
そう言い、私の存在に気づくタイガー様。
私はタイガー様に挨拶をすると、お前が噂のメアリーかと言ってましたがどんな噂でしょうか、また変な噂でしょうか。
タイガー様はジオ様が持っているキッシュに気づく。
「ん?これはなんだ?」
パクッ
「あ」
食べちゃいました。
ジオ様は食べやがった!と騒いでいます。
うるさいですね。キッシュの一つや二つ。
「これは君が作ったのかい?」
タイガー様は私に聞き、そうですとお答えしました。
「こんなに料理も出来、君は素敵なレディだね」
「ありがとうございます」
そう話てると
「なんでえ!??なんでこのイベントに悪役令嬢のメアリーがタイガー様に褒めらてるの?!!
本来ジオ様が私の料理を食べているところをタイガー様が来て私と出会ってメロメロになるのに!!!」
と、私達を追いかけてきたローズさん。またわけわからない事を言い始めて騒いでるローズさんとそれを宥めている男子生徒達。
ジオ様は「え、何これイベントとかだったの?」
とか何やらブツブツ言っていました。
何やら隣国の王子タイガー様とジオ様に挟まれつつ、少し困りました。
他の女子生徒達はキャーキャー騒いで
「ジオ様にライバルが現れましたわ!」
「二人の王子の間に揺れ動くメアリー様!」
などと、言ってます。
タイガー様は
「え?俺はジオのライバルみたいだよ?」
ケラケラ笑うタイガー様にジオ様は面白くない顔をしていました。




