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悲しい表情だったようです

学園の庭にあるテーブルに家庭科で作った料理を並べていたら、レイン様と婚約者カテリーナ様、ライラ様と婚約者ユリアン様が来てくれました。


カテリーナ様とユリアン様とはクラスは違いますが仲良くさせてもらっています。お二人共、素敵なレディで見習うことも沢山あります。


「メアリー様今日はお招き頂きありがとうございます」

可愛らしいリボンを付けているユリアン様は笑顔でお礼をする。


「私は家庭科はとっていないので、まあこれ全部メアリー様がお作りに?凄く美味しそうですね。」

驚きつつも、今日招待してくれてありがとうございますと気品さが際立つカテリーナ様。

三人で今度お菓子作りでもしましょうと、楽しく話をしながらランチの準備をしていたら、

数人の男子生徒達がテーブルを持ってきて、私達の隣に置いてきた。

「ローズ嬢ここでランチでいーかい?」


「えぇ!ありがとうお」


彼女、ローズさんです。


彼女は今日自分が作った料理を、仲良くしている男子生徒達に振る舞っていた。

彼女の料理はとても美味しく好評のようです。

チラチラとレイン様、ライラ様の様子を見ている彼女。


レイン様とライラ様はそんな彼女を無視をして


「さっきメアリー嬢とお菓子を作るって話をしていたけど、またその時皆んな集まってお茶をしようよ」


「婚約者の手づくりお菓子は楽しみだな」


カテリーナ様とユリアン様は頰を赤らめながら、ハイッと可愛らしい笑顔をお二人に向けていました。


恋する乙女は可愛いわね。


そんな甘い雰囲気を出していた四人に、面白くなさそうな顔をするローズさん。

「なんで、なんであんなに仲良しなってんの!?悪役令嬢とそのモブなのに!」


声、丸聞こえですわ。。。


キラキラした金髪が無駄に目立ってこちらへきた。

「お!二人とも久しぶりだな!」


ジオ様だ。


相変わらずですねえと、三人は談笑している中


ジオ様は私の後ろにいるクロに向かって


「クロ、お前いつまでメアリーの執事にいるわけ?俺帰ってきたじゃん?」


そうです。今でもクロは私の執事としていました。


「いつ貴方がそれに気づくのかお待ちしていましたが、よかったです。本当に馬鹿なのかと疑うとこでした」


ニッコリ微笑むクロに、心配性だなあと笑ってるジオ様。そんな二人のやりとりに他の皆んなは笑っていた。



「メアリーの手料理楽しみにしてたんだよね!」


「レシピ通りのものですが、、」


ジオ様が私の料理を食べようとしたとき


「ジオ様!」


ローズさんが自分の料理を持ってきて

「これ、懐かしいでしょお??へへへ!頑張って作ったんだよね」


ミソシルとじゃがいもを煮たモノなど、私は初めて見る料理のものばかりでしたが、ジオ様はそれが何かをわかっているようでした。


「へぇ懐かしい香りがすると思っていたら、味噌汁と肉じゃがか」


彼女の料理に少し興味を持っているようです。

なんでしょう、なんか、ムカムカします。


「だって貴方と私しかわからない料理ですもの」

ジオ様に甘えた声で迫るローズさん。


「これ、食べてくださいっ!ふふっ」


二人がイチャイチャするの構いませんが、見たくありませんね。

周りの者は私の顔をちらりと見て、青ざめてるようですが私は特に何も気にしません。

クロはジオ様に何か言っているようですが、特に、何も気にしていません。


私はジオ様に笑顔で

「私、イチャイチャするのを見にきたわけではありませんので、今日は失礼しますわ。あ、レイン様達はこの料理を食べててくださいませ。」


そう言ってメアリーは立ち去った。


その場に残された者達は気まずい雰囲気だった。

ジオは笑顔のままだけど、目は笑っていなかった。

「…ねえ、ローズ嬢。私はメアリーの料理を食べにきたんだ。邪魔しないでくれるかい?」


目をまんまるくしたローズ


「そんな、話し方しなくても、、普通でいーんだよ?

顔はジオ様だし、私気にしないし。」


そんな彼女の言葉をジオは無視をし


「クロ、この料理をタッパーに詰めろ」


「は?たっぱーってなんですか?」


「だあぁ〜!持ち帰りだ!持ち帰り!」


クロはあぁ、と納得した。


「皆んな、すまない。ここはまた埋め合わせする」

ジオはレイン、ライラと婚約者達に謝りメアリーを追った。


クロは手料理を詰めながらクスと笑い


「焦っていますね、ジオ様」


「そうだねえーちょっぴり面白かったよ」

「かなり面白いですね」

ケラケラ笑うライラ様とレイン様。



「メアリー様、とても悲しそうな表情をするんですもの、、本人自覚していませんでしたけど、潤んだ目をしながら悲しい顔をされてましたわ。。。ジオ殿下焦ってらっしゃったわね」


カテリーナとユリアンは心配だとオロオロするが他三人は気にしない気にしないとなだめる。


「あの二人は、いつになったらくっついてくれるんでしょうか、、とりあえず私の紅茶でも飲んでいきませんか?」


王子専属執事がここにいていいのかと、つっこまれるものの、紅茶を飲みながらジオのメアリーを追ってる姿を彼らは見つめていた。










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