どちら派ですか
「よっ!」
持っていた本を何冊か落としてしまいました。
まさか、自宅の図書室でジオ様とお会いするとは思ってもいませんでしたから。
「、、ジオ様?」
「うん、本当は3ヶ月だったんだけどさ2ヶ月で帰ってきちゃった☆」
あまりにも突然で言葉を失う私はどう次の言葉をかけるべき迷っていた。
ジオ様は私を見つめて髪を触る。なんでいきなり髪を触るの!?何、また蛇の抜け殻か蝉かなんか持ってきたのかしら、、!?
少し警戒しつつ、じっと見つめてると
「うん、メアリーだな」
ニコニコと笑顔でいるジオ様。
?何が、?とよくわからず首を傾げていると
背後にいるクロがコホンと咳払いをし
「貴方がいないこの2ヶ月大変でしたよ」
「二人とも、、そんなに俺がいなくて寂しかったんだなあ」
とウンウンと一人で納得しているジオ様。
違う!と私とクロはジオ様を見ても勘違いしたままニコニコして上機嫌。
「と、とにかく手紙でもお伝えしましたが彼女と仲良くしてくださいませ!それと来るなら来るときちんと連絡下さい!」
メアリーはドアを開け飛びだしメイドにジオ様に紅茶を頼んでいた。
ジオはメアリーを見つめたまま
「クロ」
「なんですか」
「相変わらず綺麗だよな」
「ありがとうございます」
「いや、お前でない!つかわかるだろ。わかっててそう返事したんだよな!?」
何やらお二人で言い合ってるようですが
ジオ様をからかってるクロは何故かイキイキと見えます。
ほんの2ヶ月くらいしか会ってなかったはずなのに、ジオ様は背が高くなったのかしら?
馬鹿っぷりは相変わらずだけど、、どんなことお話をしてたかしら。少年だったジオ様は青年になったような、そんなような、、、
そう、少し感じてしまいました。
ジオ様と朝学園へ向かうと、周りの方々から
「メアリー様良かったですね!」とゆう暖かい視線を送られてきます。
やはり朝一緒に登校するのは恥ずかしい、、いや、一部の女生徒達の嫉妬の視線が痛いです。はい。
「メアリー?どうしたのボーとして。珍しいね」
笑顔で私に語りかけるジオ様。
能天気な顔をして幸せな方ね、、、
「きゃあん!」
トテン!
ローズさんだわ。凄いタイミングで、目の前で転んできました。
ジオ様は彼女をジッとみてから
「君、今時きゃあんは辞めた方がいいよ?うん」
そう彼女に声をかけてスタスタと歩こうとすると
ローズさんは頭が追いついてない様子でハッ!と気づき
「ちょっ!ここは、美しいお嬢さん大丈夫ですか!?と
擦りむいた足を心配しお姫様だっこをするのがジオ様でしょ!そしてクロ様は保健室で私の擦りむいたところを撫でてくれるのよ!?」
クロはまた遠い目をしていました。
ジオ様はそんな彼女を見て少し考えながら
「んー?あれ?、、、君、、ちょっと質問いい?」
「ジオ様の質問ならお応えします!」
と笑顔で答えるローズさん。
「寿司好きか?因みに私はスシ◯ー派だ」
「勿論お寿司大好きです!よく家族と食べに行ってたし、わたしはかっぱ寿◯、、、、え?」
ジオ様とローズさんは無言でお互い見つめあったままです。
…なんでしょう、少しイライラしますね。
ローズさんは驚いた顔をしながら、
「あは、うける。まさか、ジオ様日本人だったりするの?私東京なの!ふふ、なあんだ!一緒みたいね!
でも顔は私ジオ様推しなんだよね!ねえ、これからは仲良くできそうじゃない?」
ローズさんはジオ様の腕を組みながら可愛らしい顔で見つめている
くっつきすきでありませんか?
ジオ様はクスと笑いながら
「カッパ寿◯派とは仲良くはなれないな」
爽やかな笑顔でカッコ良くそう告げて、私を引っ張り教室へ向かった。
まったく二人の会話についていけませんでしたが、何かの派閥のお話しだったのでしょうか。




