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壁ドン

「俺明後日から隣国行くんだ」

ハアとため息を何回もするジオ様。


「知ってます、もう準備されてますか?忘れ物とかありません?」


「明後日、隣国、、、めんどい、、」


私の屋敷まできて報告するのが一番面倒では?


「第一王子たるもの、そのような弱気な発言はいけません、きちんとこの黄金国の素晴らしさを他国にもお伝えくださいってニヤニヤしないでください、、、」


叱ってるのに、ニコニコしてるジオ様。

「この前プレゼントした、ネックレスしてくれてるなあって、嬉しくて」


「や、これはメイドのものが、、、」


ジオ様と会うとなったとき、何故かプレゼントされたネックレスを付けろと言われたからなのですが、周りにいるメイド達は、言うな!と目で訴えてて怖かった。。


「、、気にいったので、つけてます。はい」


パァと明るい笑顔を放ち、メイド達はメロメロにジオ様を見つめていた。


「明日、俺が隣国留学もあり王宮でパーティがあるんだ。きてくれよな!」


招待状を渡されて考えた。


「ジオ様、招待状渡すだけなら使いのものに頼めばよかったでしょう、ただでさえ、王子の仕事は沢山あるのに」

クロは小言をいってくる


「スマホあれば、いいよなあー。ここ文明、遅れてるし。スマホあればさ、メアリーにラインとか送れるし」


一気に、何個もわからない言葉を発するジオ様。

相変わらずわけわからない王子です。


そのスマホとやらは、人を使わずとも手紙のやりとりや声が聞こえお互い話あえるアイテムがあるとのこと。


「そんなことより、もう帰りますよ」


話を中断し、サッサと帰らせようとするクロにジオ様はまだ!もう少し!

とねだっていました。


王宮でのパーティの当日。

私は青いドレスを着てみた。うん、やはり青って落ち着く色ね。大好きな薔薇の飾りを髪に付けて、私は王宮へ向かった。


煌びやかな広場、素敵なシャンデリア、美味しそうなご馳走、交流のある貴族達とも挨拶を済ませながら、今日何故私がすんなりと王宮のパーティにきた理由は一つ!


この、赤くてたっぷり、ふんわり苺シフォンケーキが食べたかったからである。

王宮でしか食べられないので、大好きなこのシフォンケーキをいただきます。


「メアリーきてくれたんだな」


ジオ様だった。

他の女性がジオ様にベタベタしてながら私に挨拶をしてくる。


「あら、メアリー様。ご機嫌よう。ふふ殿方から相手にされず一人でシフォンケーキを食べてるなんてお可哀想に、、」


クスクス


彼女達は元ジオ様の婚約者候補達。私もその中の一人だったのに彼女達の中では私は抜けがけした裏切り者らしいです。だから、抜けがけはしていません。


「あら、それはご忠告ありがとうございます。でも、、わたしから言わせれば、皆様でよってたかって、一人の男性をワラワラと寄りベタベタしてるのは美しくありませんわよ。」


ニヤリと嫌味な顔を返すと、令嬢たちは何よ!と何処かへ行った。


「メアリー、かっくいー!」


ヒューと口笛を吹くジオ様。

あ、なんだか殴りたいわその顔。


「なあ!メアリー!ちょっときて!」


え!私はシフォンケーキを!シフォンケーキがああああ



ジオ様に引っ張られて、外へ出ると、


「綺麗、、、」


光が沢山溢れていた。


「ここの庭さ、この時期なると蛍が沢山見れるんだよな!いつも昼間しか王宮呼んだことないし、メアリーが喜ぶかと思って」


ジオ様は優しく微笑えむ。


少しだけ見つめあって、どうしていーか迷ってると

「あ、ジオ様ここにいたんですね、明日出発なのにまったく準備してないってどーゆっ!、、、、あ、お邪魔でしたね」


ジオ様はクロを笑顔でタイミングってあるだろ!と何か訴えてました。


が、


準備してない!?あれほど準備しろと皆言っていたのにこの馬鹿王子は!



「ジオ様!」


ドン


壁に押し付けて説教をしました。


「何故早く準備もせずパーティにでたのです!?

しかもまだ王子としての仕事もあるとかって、貴方は一体なにを考えてっ!って、、、、何故照れた顔をするのです?」


ジオ様は赤くなり照れています。


「だって、逆壁ドンなんだもん」


「は?」


「俺が壁ドンするほうじゃん?逆だよ、、」


照れた顔したと思えば、急に落ち込んだ様子。


「何故逆なんだ、、、違うじゃん。今更壁ドンは流行らねえけどさ、でも逆じゃんか」


そう落ち込んだジオ様を執事のクロは引きずりながら

何処かへ行った。


一体彼は何に照れて、何に落ち込んだのでしょうか。


「壁ドンって、、、、何?」



その後シフォンケーキは美味しくいただきました。









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