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短編まとめ

僕と神様

作者: きりんのつばさ

昨日、意外と好評だった

神様と普通の人間とのおはなしです。


今回は前回と違う神様が出てきます。

色々とツッコミどころがあると思いますが

どうか暖かい目で見てもらえると嬉しいです。



では、どうぞ!!

「ほら、起きてください」

「あぁ……? 何だよ……もう少し寝させろって……」

「いやいや今日はデートなんですから

起きてくださいよ」

「デート……? デートか!?

おうそうだったな!! 悪りぃ悪りぃ!!

今、準備すっからさ!!」

と布団から勢いよく出てくる僕の彼女。


・女性にしてはかなり高めの身長


・メリハリがついている体型


・腰まで伸びている綺麗な髪


見た目はかなりの美人で黙っていれば

モデル並みの美人なんだけれども

「なぁオレの服しらねぇか?」

「服はですね……って何てかっこしてるんですか!?」

僕が声をした方を向くとジャージを半分脱いで

他の人に見せられない姿の彼女がいた。

「すまんすまん!! シャツを着ようとしたらな

見たらなくてなこんな格好だ!!

どうだ? 興奮するか?」

とわざと見せつけてくる様なポーズをしてくる。

大きめの胸や白い肌が朝から僕の危ない気分にさせる。

「は、早く着てくださいよ!?

いい加減にしないと朝ごはん抜きですよ!!」

「それは困るな!? ならば早く着替えるとするか!!

愛しの彼氏のメシは最高に美味いからな!!」

と着替え始める彼女。

……ここまで見ていて分かると思うけど

僕の彼女の口調はかなり乱暴だ。

見た目はモデルで綺麗なのに、口調は不良というか

おっさんだ。

(はぁ……これだとどっちが彼氏なのか

分からないよ……)

僕は身長が男子の割には小さく、童顔の為に

よく子供扱いされる為、正直彼女の身長というか

見た目が羨ましい。





そしてもう1つ彼女には秘密があり……

「流石に神でもな、腹が減るんだよな!!」

「本当に神様なんですよね……」

「おう!! スサノオだ!!」

そうだ。

目の前にいる彼女は神様であり

あの天照大神と大喧嘩したりしている

暴れん坊の神、須佐之男命であった。

……なぜあんな美人の女性なのかは疑問だが。

出会いとしては外に倒れていたこの神様を

僕が部屋に連れていき介抱したのが始まりだ。

何でも不良100人を相手にしていたらしく

その疲れで路上で寝ていたらしい。

……全くもって危ない人、いや神様だ。

で、そんな神様は帰る場所が無いらしく

僕の部屋に勝手に転がり込んできた。

「いや〜姉貴と喧嘩してな!!

家を追い出されたんだ!! いや〜姉貴怖ぇわ!!」

……多分、姉貴ってあの天照大神だよね?

なるとお姉さんは引きこもったのだろうか?

というかこの神様は何をしているんだろう。

そんな感じに僕らはしばらく一緒に生活していき

紆余曲折あり、付き合う事になった。

「うっし!! 着替えたしメシにしようぜ!!」

「だろうと思って既に机に用意がありますよ」

と僕が机を指差すと、そこには僕が先ほど作った

朝ごはんが2人分綺麗に並べてあった。

「さすがオレの彼氏、分かってんな!!

じゃあ食べようぜ!!」

「分かりました、では」

「「いただきます」」


「おう準備出来たか?」

「はい、僕は出来ましたよ。

ミコトさんは大丈夫ですか?」

僕は目の前の彼女の事を“ミコトさん”と呼ぶ。

理由としては彼女の本名?である須佐之男命から

女性っぽい名前を考えた結果、ミコトさんになった。

朝ごはんを食べ終わった僕らはミコトさんが運転する

緑色のワゴン車、通称“オロチ”に乗った。

……わざわざ自分が倒した怪物の名前をこれから僕達が

乗る車につけないでほしい。

「じゃあ行くぜ〜〜オロチ!!」

「ミコトさん、スピードには気をつけて

ーーって言っている側から出さないでくださいよ〜!!」

開始早々スピードを出していく。

「いやっほう〜!! 楽しいぜ〜!!

今日のオロチも調子がいいな!!」

「だからその名前やめましょうって!?

ーーお願いですからスピード落として〜〜!!」




色々あった僕らは今日のデートの場所、海辺に着いた。

海に来たから泳ぐという訳ではなく

「早く弁当食べようぜ!!」

「はいはい、分かりましたから待ってください」

僕らは僕が作った弁当を一緒に食べる事にした。

「うめぇな!! やっぱお前が作った弁当は旨い!!」

と特大サイズの弁当を食べながらいうミコトさん。

……あれって男性の通常サイズの倍はあるんだよね。

まぁでも食べっぷりがいいので作っている僕としては

とても気分が良い。

そんな感じで一緒に弁当を食べていると……

「ねぇ彼女、暇しょ?」

後ろから明らかにガラの悪い男達が声をかけてきた。

「あぁ?」

そして相変わらずガラの悪いミコトさん。

これではどちらが不良か分からない。

「だから俺らと遊ばない?

そんな弟クンはほっといてさ?」

「弟? はっ、こいつはオレの彼氏だ!!

悪いがオレは彼氏といるんでな!!」

「そいつが彼氏? 随分可愛らしい彼氏だなぁ〜!!」

と明らかに僕の事をバカにしたように見る男達。

まぁ慣れているけど改めて言われるとムカつく。

「おい、彼氏クン? 悪いけどさっさと帰ってくれ?

俺らはそっちの彼女に用があるんだ」

「なぁその、肉巻きおにぎりくれないか?」

「えぇ〜今さっき自分の分食べましたよね?

はぁ……分かりましたよあげますって」

「おっ、ラッキー!! お前が作った肉巻きおにぎり

うめぇんだよな〜!!」

「ーー俺らの話無視してんじゃねぇぞ!!」

ドカッ!!

ガラの悪い男達の1人がミコトさんが持っていた

弁当を蹴り上げた。

その結果、弁当の中身は全て溢れた。

「……おい、てめぇら」

「あぁ? なんだよ? 文句あんのかよ?」

ミコトさんは立ち上がると、男達の方を向き直り……

「ーー人の彼氏が作った弁当に何してんだぁ!!

てめぇら無事に帰れるなんて思うなよ!!」

キレた。

目つきは鋭くなり、男達は完全にビビっていた。

「さて、どいつから潰されたいか……!!

悪りぃが今のオレは気分が悪いからな……!!」

……まぁ言うまでもないがこの男達は

見事なまでに叩きのめされていた。






海岸で一悶着あった後、僕らは海が一望出来る

高台に来ていた。

「……なんか今日は悪りぃな」

「どうしたんですかミコトさん?」

「いや、ほら……オレさ、今日暴れちまって

お前にも迷惑かけててさ……」

「だからあんなにここに来るまでの道中

見るからに落ち込んでいたんですか……」

ミコトさんはガラの悪い連中を叩きのめした後

ここに来るまでの道中、いつもの明るさはどこに

いったのやら見るからに落ち込んでいた。

「う、うるせぇな……これでも気にすんだよ!!

お前の彼女としてな!!」

「ミコトさんに“他の人に迷惑をかける”という

感情があった事に驚きです」

「てめえ喧嘩売ってんだろ!? はぁまぁいいか。

……なぁお前はオレといて楽しいか?」

いきなり変な事を聞いてきたミコトさん。

「いきなり何を言いだすんですか?」

「ほ、ほらよ……オレって彼女らしい事

殆ど、一切出来てねぇからさ……お前にはさ

もっとオンナらしい彼女が似合ってんのかも

ーーいや、オレは何を言っているんだ」

いつもの彼女からは考えられないぐらい

申し訳なさそうに言ってくる。

それを見て僕は……

「……ミコトさん」

「わ、悪い今の発言は聞かなかったことに……」

「僕はミコトさんといて楽しいです」

「っ!?」

「僕はミコトさんといてとても楽しいですよ!!

僕はミコトさんといて迷惑なんて思った事は

一度もないですし、いつも楽しいですよ!!

「でもよぉ……」

「じゃあ逆に聞きますがミコトさんは僕といて

楽しく無いですか?めいわくですか?」

「そ、そんな訳ねぇだろ!! オレはお前といて

いつも楽しいに決まってんだろ!!」

「ーーならそれを相手も同じ事を思っているって

思いませんか?」

「あっ……」

「そうですよ。 まぁ僕の場合は隣に可愛らしい彼女が

いたら、どっちが彼女か分からなくなりそうなので

勘弁してもらいたいというのもありますが……

ってあれ? ミコトさん?」

僕がミコトさんを見てみると、彼女は顔がこれでもか

というぐらい赤くなっていた。

「あ、あれミコトさん……まさか照れてますか?」

「うるせぇ照れてねぇし!!」

「いやでも顔が真っ赤……」

「違ぇし!! ただ外が暑いだけだ!!」

なお今の季節は冬である。

「いやでも」

「うるせぇ!!神特権!!」

もしかしてこの世で1番覆せない権利を使われた。

「理不尽だ!?」

「なんせオレは神だからなぁ!!

ーーよし帰りに市役所よって婚姻届書きに行くぞ!!」

「はぁ!? ま、待ってくださいって今日は休日で

市役所閉まってますって!!」

「そんなん神の力でこじ開けるに決まってんだろ!!

オレとお前の間を邪魔するモンは全てオレが

ぶち壊してやるぜぇ!!」

忘れていた。

そういえばこの彼女、神様だった。

だから色んな事が出来る。

……だから休日やっていない市役所を開けるぐらい

造作も無いことなのだろう。

「いやいやダメですからね!?

そんなところで神様の力無駄に使わないでください!!」

「よっしゃあ!! そうと決まれば一丁市役所まで

かっ飛ばすかぁ〜!! おら行くぞ!!」

と僕の手を掴んで走りだすミコトさん。

「えっ? 本当に行くんですか!?

ち、ちょっと待ちましょうって!!

ーーって普通に走っても速いですって〜〜!!」



これだと本当にどっちが彼氏か彼女なのか

分からないけど、それはもしかしたら

些細な事なのかもしれない。

だって僕達は今とっても幸せなのだから。


「なぁオレの彼氏さんよ」

「な、なんですか?」

「オレの手をずっと握ってくれよな!!」

と満面の笑みで言われた。

相変わらず僕はこの彼女の笑顔に弱い。

だから……

「はい、僕でよければ喜んで!!」

僕もミコトさんにならって笑顔で返事した。


これから僕とこの男勝りの女性の姿をした神様との

愉快で楽しい日々は続いていくのだろう。

そう思うと笑みが止まらない僕だった。

次回はあの三体の神様の中で残った

最後の神様を書いていきたいと思います。



・・・多分恋愛モノになってしまいますが。

またお付き合いしてくださると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読しました。(昨日も拝読しており、感想を書いたつもりになっておりましたm(__)m) 私はこちらの神様(ミコトさん)の方が好きかも知れません。 三作目も楽しみにしてま~す!(^-^)v…
[良い点] 神様と人間が現実世界で恋しているという、個人的にはおもしろすぎる世界観設定。 [気になる点] 個人的におもしろくてかなり満足だったし、特につっかかる部分もなかったので特にありません。 [一…
2018/08/26 20:56 退会済み
管理
[良い点] 神様と人間が現実世界で恋しているという、個人的にはおもしろすぎる世界観設定。 [気になる点] 個人的におもしろくてかなり満足だったし、特につっかかる部分もなかったので特にありません。 [一…
2018/08/26 20:56 退会済み
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