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復讐

警告

残酷な描写があります。

苦手な方は控えてください。

遡るのは昨日。塾へ行こうとした風宮の話だ。


「弥生ちゃんどこにいるのかナー?」

ガチャリとドアの鍵を開ける。風宮家の親は既に外出しているため中には誰もいない。風宮以外は誰もいないのだ。

霧島は傷1つ付いていない。まるで何事もなかったかのように動いている。

風宮は霧島を殺してしまった罪悪感から塾へ行けない状態だった。霧島の声がしたとたん布団の中へ飛び込み、息を殺して身を潜めていた。

やだやだ!来ないでよお願いだから・・・

手が震えていることが良く分かる。

ピッピッ

携帯を打つ音がする。すぐ近くまで来ているのか!?

携帯から音声が流れる。

「キリシマチヒロサン。フクシュウヲスルノデスカ?スルノナラ、ハイトニュウリョクシテクダサイ」

「はいっ・・・・と」

「デハ、フクシュウスルジンブツヲニュウリョクシテクダサイ」

「風 宮 弥 生・・・」

「カゼミヤヤヨイデ、ヨロシイデスカ?」

「はいっ・・・とー」

「ヒョウテキ カゼミヤ ヤヨイ。フクシュウデキルチャンスハ 1カイ ポイント100〜300 ジカンハカンケイアリマセン。ソレデハオモウゾンブンフクシュウシテクダサイ」

復讐に時間は関係ない。

霧島の手には針の入った箱が。

「さて、弥生っここにいるんだろ?いるの知ってんだからでてこいよ」

体がビクつく。意地でも言わない。自分がここにいるなんて。

「出てこないならあたしから行ってやろうじゃん」

ガチャっ

鍵を開ける。

ひっ!来る・・・・!風宮は震える。硬く眼を瞑る。

「隠れてももうおっせーんだよっ!!」

霧島が勢いよく布団を取る。

怯えた風宮を見て霧島は不気味な笑みを浮かべる。

「こんなとこにいたんだぁ〜でももう終わりだよ」

最後の「もう終わりだよ」の言葉が冷たく感じた。風宮は震えて動こうとしても動けない。

霧島が箱を開ける。その手には銀色の細い鋭い針が握られていた。

「なっ・・・なにすんの・・・」

やっと言葉が出た。霧島は恐れることなく言葉を吐く。

「ん?なにすんのってぇ・・・弥生ちゃんを殺してあげるんだよぉ?」

針を持って近づいてくる。

「あたしを殺してくれたからぁ今度は弥生ちゃんを殺してあげるネ」

顔に針を近づける。

「いっ・・・いやっ!」

風宮は悲鳴を上げる。

「ちっ・・・うっせーやつだな。こうしたほうがいいかな?」

霧島はガムテープを手に取る。短く切り取って風宮の口に貼った。

「んー!んー!!」

「あとこーすっか」

タオルで腕を縛る。物凄い力だ。

いっ痛い!

「んっんーー!!」

「はいっ準備完了ー!たぁっぷり痛いことさせてあげる」

針を勢いよく振り下げる。

ブッスッ

「んんんんんんーーー!んぐんあぁーぁぁぁぁっ!!」

額を刺した。血がプツプツと溢れてくる。

霧島はニタニタ笑う。

「このままにしたほうが良いかもねー面白いし」

頭の奥が痛い。早く抜いてよ!

「さーもう一本いってみよう!」

ブッスっ

「んぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!んーん!」

次は眼に刺さる。さっきとは違う痛みが走る。

痛い痛いいたいぃぃぃ!お願いだからもうやめてぇぇぇぇぇ!!

「丁度いいとこに刺さったね。抉ってあげようか」

えっ・・・!抉るって・・・

手にはハサミが握られている。まさかハサミで!

「弥生ちゃんあたしのことハサミで刺してくれたから、ハサミで返してあげるよ」

「んー!!」

ハサミを勢いよく振り下ろす。

グサッ

「んんーーーーーーーーー!んぐっぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

左目に刺さる。そしてハサミは眼をぐりぐりとかき混ぜた。

「んんっんっ!ぐあああぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁあああぁ」

頭の中が真っ白になってく。痛さなんかじゃない。悲しみと怒りが募る。

グチャグチャと音を立てながら血管を千切り、神経を破壊する。

スッ・・・とハサミを抜く。いきなりドクドクと赤黒い液体が溢れてきた。

ハサミには赤黒い血がベッタリと付いている。

風宮には叫ぶ体力が無くなっていた。ぐったりと横を見ている。横を向いているので眼から流れた血が布団に瞬く間に広がっている。白目が飛び出てグチャグチャに潰れている。

その姿をみて霧島は不気味な笑みを浮かべる。

「なぁんだぁ〜これで終わり?まっいいかぁ。これで終わらしたげる」

一度台所へ行き、数秒経って戻ってきた霧島の手に握られていたものは包丁だ。

勢いよく包丁を振り下げる。

グサッグサッ

何度も何度も顔に刺す。血が布団に、自分に飛び散る。

気づけば原型を留めていないくらいグチャグチャに潰れていた。

白かった自分の服は赤黒く染まっている。

「はぁっはぁっよっしゃぁあぁぁ」

血まみれの手で携帯を持つ。

なぜか震える手。でもそんなこといい。自分は願いが叶えばいいんだから。

「・・・あ、もしもし。今復讐終わりました。画像送ります」

「ワカリマシタ。フクシュウゴクロウサマデス」

携帯をきる。

もうすぐ願いが叶う。この殺し方が無残であればあるほど夢への道は近くなる。

ピロリン

写真を撮る。

写真をとったとたん、笑いが奥底から込み上げてきた。

「ふっ・・・あは・・・あはははは」

願いが叶えばいいの。願いが叶えばいいの。

罪悪感なんてない。願いへ近づいていると言う喜びと嫌なやつが消える爽快だけだから。



もはや誰もとめる事が出来ない復讐ごっこ。



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