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違和感

昨日の動画を見たせいなのか、気分が重くだるい感じがする。思い出したくないのにも関わらず頭の奥底から沸きあがって来るかのように思い出してしまうのだ。

今日は柚希たちと学校へ行く約束をしている。行っても行かなくても苛められるのは一緒だ。どうせなら一緒に行こう。そう決断を下して。

「遥、顔色悪いけどどうかしたの?」

母が尋ねてきた。洗面所の鏡を見たとき、これは自分の顔なのだろうかと言うほど引き攣っていた。恐れているのか自分は。

しかし心配なんてかけたくない。ううん。信じてくれるはずが無いだろう。”復讐ごっこ”なんて・・・

「大丈夫。ちょっと寒いのかなぁ」

「風邪ひいちゃ嫌よ?」

本当心配性なんだから。

「そんじゃっ行ってきます」

「気をつけてね」

手を振り返す。

歩いている間はほとんど復讐ごっこの事ばかり考えてしまう。ひとつの物事にこんな熱中して追及してるのはめったに無い。

「確か復讐ごっこのルールって・・・」

1、会員になれば殺したい奴をいくらでも殺せる。

2、無残な殺し方をすればするほどポイントが加算され、一定のポイントがたまれば自分の夢が叶う。

3、殺したい奴に反撃され、自分が殺されると今までのポイントはその殺したい奴に奪われる。

4、反撃されて殺されても復讐する事が出来る。復讐すればポイントはかえってくる。

嫌なやつが消え、願いも叶い、一石二鳥と言うわけだろうか。

さらに昨日見た動画のとおり復讐する現場、殺害する現場は生中継で流される。

「本当惨いよね・・・誰が支配してるんだろう」

そうだ。1つは誰が支配してるのか。

「考えるのやめよ。柚希ちゃんたち来てるかも」

一度忘れる事にする。危うく約束を破るところだったので慌てさっきまでの考えた事を忘れようとした。

でも頭の片隅に残っている疑問、複雑な気持ち、残酷な映像は消し去れない。





柚希と圭は途中の橋の欄干で待っていた。

こちらを見て手を振っている。

「おっそいよー」

苛められるかもしれない!

そんな予感がした。自然と涙が出てきてしまう。

「ご・・・ごめん!」

叩かれるのを待った。しかし柚希は動いていない様子。

これはいったい?

「いいよ別にさー」

「うん。あたし達も今さっき来たばっかだしさ」

「柚希ちゃん。それに圭・・・」

これは罠か。半信半疑である。

「遥前はあんな強いこと言ってごめんね」

「え・・・じゃあ・・・」

唖然とした。気づいてくれたんだ。

だがやはり信じられずにいる。自分は填められたのだ。なのになのに・・・

柚希が笑顔でいる。

「さ、いこ!」

「うん」

複雑だ。なんだろうこのモヤモヤとした気持ちは。

なにも話は見つからない。会話が弾まない。自分だけ置いていかれている。

罠か。罠じゃないのか。

半信半疑でいる自分。苛められてるのか苛められていないのか分からなかった。




それよりも





霧島のことが気になるのは自分だけか?





嫌な予感がするのだ。なにかモヤモヤとした感覚が・・・















ピンポーン





ピンポンベルが響く。


ピンポーン


ピンポーン


音はしだいに早くなってくる。



ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン



ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン




ガチャ




「や・・・・・よいちゃん・・・かくれんぼしよっかぁ。・・・復讐ごっこ・・・しない?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すんご・・・・・・・ぉく・・・・・楽しい・・・・から・・・さぁ」










今日風宮の家の前に警察がいたが。まさか・・・・

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